火ノ華-1 ページ23
「ヤバい!師匠が綺麗すぎる!!」
「ユウカ、煩ェ!」
「つか、今更なこと言うんじゃねェ!!」
「双子ちゃんが辛辣!」
「いや、私が恥ずかしいから三人とも黙ってくれたら嬉しいかな?」
祭り当日。
私は自宅にて夕夏が仕立てた浴衣を着付けていた。
紅たち第7は屋台設置の手伝いや見回りを行っているため、詰所は今誰もいない状態である。念のため、と紺兄が連れてきたのでヒカゲとヒナタもこちらに来ている。
「さて!あとは髪型ですが…簪はどうしようかな…」
「簪はいつものじゃねェと、ヒカとヒナが怒るぞ!」
「いつものとんぼ玉使わねェと、しばくぞ!」
「嗚呼、あの簪ね。たまには違うのを、とか思うけど、師匠も気に入ってるみたいだし…だとしたら髪型は…」
夕夏が私の後ろでごそごそし始めた。
余り顔を動かすわけにはいかないが、目線を動かし浴衣の柄を確認する。
布地の色はいつも紅が着ている法被と同じ紺色で、柄は白百合に紫の蝶、鱗粉は赤色で描かれている。
帯は青色で締められ、全体的に大人っぽい印象を受ける。
いつもは鈴蘭が描かれた着物を着ているので、白百合は何だか華やかな感じがする。
「師匠、髪全部上げちゃっていいですか?」
「あ、うん。いいよ」
「よーし!じゃあ、ヒナタちゃんはこっち持って、ヒカゲちゃんはこっち持って」
「「合点承知の助!」」
「結ってもらってる間、化粧して大丈夫?」
「嗚呼、大丈夫ですよ!どうぞどうぞ〜あ!ヒカゲちゃん、一束頂戴」
後ろから聞こえる賑やかな声を聞きながら私は白粉を手に取る。
いつもはしない化粧だけど、夕夏が頑張ってくれたから、少しでも作品が綺麗に見えるように私も頑張ろうかな、と思った。
決して紅のために化粧をするのではない…!多分。
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颯(プロフ) - カニカマさん» 間違った読みで覚えてしまっていたみたいでお恥ずかしい限りです。現在は私生活が忙しく、趣味も執筆も妄想も捗らず、歯がゆい思いをしているのですが、いろいろ落ち着きましたらまたゆっくりマイペースに書いていきたいと思います。この度は誠にありがとうございました (2020年12月25日 0時) (レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - カニカマさん» 初めまして。誤字のご報告、誠にありがとうございます。また、お返事が遅くなり大変申し訳ありません。ご指摘頂きました鬼灯ですが、「ほおずき」に先程全て修正いたしました。とても助かりました。本当にありがとうございます!携帯の予測変換で変換していた為、 (2020年12月25日 0時) (レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいております。これからもご活躍を切にお祈りしております。 (2020年11月14日 9時) (レス) id: aef0ed3227 (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - 題名で漢字変換もされており、文章でも繰り返し用いられているので「わざとかな?」とも思ったのですが、「変換できなくて『鬼』と『灯』で分けて変換してるという可能性もあるのでは」と思い至り、報告させて戴きました。 (2020年11月14日 9時) (レス) id: aef0ed3227 (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - 炎ノ針子【弍】『鬼灯-1』夕夏の台詞の上から二行目に当たる文章の中で「ほうずき」とありますが、正しくは「ほおずき」です。 (2020年11月14日 9時) (レス) id: aef0ed3227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:颯 | 作成日時:2019年11月12日 17時