見回り-1 ページ10
浅草はお祭りが大好きな人たちが住んでいて、いつも活気があり、どこもかしこも賑わっている。
義理人情に厚く、一度仲間と認めたら裏切ったりしない。そんな気持ちの良い人達ばかりである。
紅はそんな浅草の人たちに「浅草の破壊王」と呼ばれ、とても慕われている。
「お、紅丸ちゃんじゃないかい！今日は新鮮なの採れてるよ！」
「あら〜紅丸ちゃんじゃない〜！たまにはうちにも顔出してよね」
「よう！紅ちゃん！今日も飲みに行くか？って、今日はエライ別嬪さん連れてるやないかぁ！」
「…どうも、は、じ、め、ま、し、て？」
「Aちゃん、冗談やて、冗談…。そんな怖い笑顔向けんといてェな」
「冗談にしては、いつもの私が可愛くないって言われてるみたいでしたけど？そんなに別人ですか？確かに紅は髪結うの上手だけど…」
「もぉ〜いつものことやんか〜。ほら、機嫌直しィ？杏飴あげるから〜」
「…ありがとうございます」
物に罪はないので有り難く頂戴する。
口に含むと水飴の甘さと杏の甘酸っぱさが程好く広がり、少し顔が緩む。
普段髪を結わないせいで、結っている日は必ず冷やかされる。
確かに紅は手先が器用だし、自信作の日は私の隣でちょっとドヤ顔してたりするけど…。
いや、でもなんか、こう…落ち着かないというか、恥ずかしいというか…。
私が難しい顔をして悩んでいたからか、紅に声をかけていた果物屋さんが上物の苺を口に入れてくれたり、酒屋のお姉さんが金平糖をくれたり…。気付けば餌付けをされていた。
紅の方を見ると、何故か皆に小突かれていた。
祝杯をあげるぞー！とか言ってるけど、何か賭博で勝ったのだろうか？
「紅、何か賭けていたの？」
「いやァ、気にすんな」
「そう？あ、この苺本当に美味しいよ。紅もいる？」
「あ」
「はい」
杏飴も水飴の甘さがあるから難しいかな？と思い、苺を紅に渡す。
当たり前のように口を開いて少し屈むので、開いた口の中に苺を放り込む。
租借した後三篭程買っていたので、双子や紺兄へのお土産だろう。上手くいけば紺兄が苺大福を作ってくれるかもしれない…。
楽しみだな、と思いながら、また苺をひとつ口に含んだ。
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颯(プロフ) - ナツさん» コメントありがとうございます。残念ながら、私も別サイトにて夢を書いている者ではございますが、お探しの方ではなく大変申し訳ありません。ですが、そんな方とお間違えいただけるとは光栄でございます。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。 (2020年1月2日 11時) (
レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。人違いだったらたいへん申し訳ないのですが、もしかしてかつて別サイトでハリーポッターやナルトやハンターハンターの夢小説を書かれていた方でしょうか。 (2020年1月1日 15時) (レス) id: 8cabdf3766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯 | 作成日時：2019年11月1日 0時
