朝の喧騒-5 ページ7
ほんのりと温かい室温と石鹸の香りについ、槽をこいでしまった。
慌てて目を擦ると、優しくその手を御される。
するすると髪を編む指先が少しくすぐったくて、笑みを噛み殺していたくらいにフと、声がかかる。
「出来たぞ」
「今回の自信は？」
「ンなもんねェよ」
嘘つき。本当はいつも自己採点してるくせに。
一応嗜みとして携帯している鏡を取り出し確認する。
今回はきっちり纏めたんだね。大きな編み込みが見え、後ろは手触り的に大きめのお団子になっている様子。
「あら？私、簪置いていってた？」
「いや、ねェよ。だから、最近こっちに来た奴ァいただろ。あいつから譲って貰ったのが余ってたから挿した」
「そう。最近浅草に来たってことは、あのお孫さんの旦那様？」
「嗚呼。大福くれるババァんとこの倅の婿養子だよ」
「そう。確か結構大きい商人の方だったよね？へぇ…アクセサリーも取り扱ってるんだ。綺麗…」
髪に刺さった黒く艶っぽく塗られた串に赤と青のガラス玉がまるで夫婦のように揺れる作品に私は感嘆の息をつく。
紅は頂いたと言っていたけれど、傷みがあるわけでもないし…紅へのお近づきの印ならお酒を酌み交わすだろうし…。
何かありそうだけど紅は口を割らないだろうから、私は深く考えることを止めた。
それよりも、先程から私の耐えに耐え抜いたお腹が切ない音で訴えてくるのだ。
もういいよね？と鏡を仕舞い振り向くと手を差し出された。
私は当たり前のようにその、紅の手を取って立ち上がる。
「いくら取ってもらっているとはいえ、もう空腹の限界〜早くお味噌汁飲みたい〜」
「魚と白米はどこいったァ」
「それは後からゆっくり味わうの」
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颯(プロフ) - ナツさん» コメントありがとうございます。残念ながら、私も別サイトにて夢を書いている者ではございますが、お探しの方ではなく大変申し訳ありません。ですが、そんな方とお間違えいただけるとは光栄でございます。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。 (2020年1月2日 11時) (
レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。人違いだったらたいへん申し訳ないのですが、もしかしてかつて別サイトでハリーポッターやナルトやハンターハンターの夢小説を書かれていた方でしょうか。 (2020年1月1日 15時) (レス) id: 8cabdf3766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯 | 作成日時：2019年11月1日 0時
