波乱-6 ページ48
「誰か来た！」
「誰か来やがった！」
ヒカとヒナは鏡合わせのように笑いながら玄関まで走っていく。
行儀良くごめんください。なんて言う奴は珍しい。ごめんと言うなら来るなっての！
「「待たせたな！」」
「おや。出迎えは双子さんでしたか」
「「げっ！」」
詰所の玄関にいやがったのは最近、ヒカとヒナが最も敵視してる皇国の奴だった！
大方隣のAの店が閉まってたから、こっちに来たんだろうが、そう簡単には行かせやしねぇ。
Aが寝込んだのはコイツのせいだ！だから、コイツには帰ってもらわないといけねぇ！
「「何しに来たんだよ」」
「何って、Aさんが店にいらっしゃらなかったので、こちらかと思いまして挨拶に」
「ふんっ。手土産もない挨拶だなんて随分だなァ！」
「それに、今Aは面会謝絶だ！一昨日来やがれ！」
「「無理にでも押し入ろうってなら、ヒカとヒナも本気で相手をするぞ」」
ヒカとヒナは手を合わせると着物の裾を炎で覆い、揺らして見せる。
男は一瞬怯んだが、すぐに余裕ぶって笑う。うへェ、気持ち悪ィ。
「第7消防隊の方は一般市民にも暴力を振るうのですか？全く、これだから原国主義者は野蛮で困る。」
「「アァ？」」
「おっと。気に触ったなら謝りますよ」
「お前ェの気持ちの籠ってねェ謝罪なんていらねェよ！」
「それよりもさっさと此処から立ち去れ！Aはお前ェのせいで寝込んだんだからな！」
「「絶対赦さねェ！！」」
ヒカとヒナが炎で作った尻尾を逆立てると、気持ち悪ィ男は成る程。と頷いた。
「Aさんは体調を崩されているのですね。それは見舞いの品もなく、大変失礼しました。もし宜しければ、うちのお抱えの医者に診させますが？」
「その必要はねェよ」
Aを連れてく気だ！と分かった途端、弾けそうになった炎は、次に聞こえた声で落ち着いた。
「「おっせぇぞ！若ァ！！」」
「あ？お前ェらがいれば、大体の奴は大丈夫だろうが」
「それはそうだけど、コイツは普通じゃねぇだろ！」
「ヒカとヒナじゃ手に負えねェよ！」
「それもそうかァ…」
若は男の隣を横切ると、玄関にどっかりと座り込んだ。
ヒカとヒナは急かさず若の肩に乗って威嚇を続ける。
「悪ィが医者は間に合ってんだ。他を当たってくれ」
「そうですか。それは残念です…。では、またAさんが回復した頃合いにお邪魔させていただきます。」
そう言うと男は詰所を出ていった。
もう二度と来んな！とヒカとヒナは全力で舌を出した。
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颯(プロフ) - ナツさん» コメントありがとうございます。残念ながら、私も別サイトにて夢を書いている者ではございますが、お探しの方ではなく大変申し訳ありません。ですが、そんな方とお間違えいただけるとは光栄でございます。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。 (2020年1月2日 11時) (
レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。人違いだったらたいへん申し訳ないのですが、もしかしてかつて別サイトでハリーポッターやナルトやハンターハンターの夢小説を書かれていた方でしょうか。 (2020年1月1日 15時) (レス) id: 8cabdf3766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯 | 作成日時：2019年11月1日 0時
