原因-2 ページ32
Aを背負って、詰所への帰路に着く。
顔を真っ赤にしてむにゃむにゃ言ってるAの寝顔を横目に見つつ、さっきジジィ共が言っていたことを思い出す。
「そういや、そろそろだったなァ…Aの命日」
そういや、毎年この時期になるとAは詰所で寝泊まりするようになる。今年も紺炉の奴ァ、声かけてたなァ…。
それは近付いていたから、か…。
Aの両親はもう何年も前に亡くなっている。
母親は病気で回復することなく、ある冬の朝に冷たくなっていて、父親はその一年後、焰ビトとなりAを除いた一族全員を道連れにして亡くなった。
その日からAは一人でA呉服を背負い、立っている。
後に聞いた話によりゃあ…Aの両親は政略結婚というやつで、仲は余り良くなかったらしい。
更には親族同士も仲が良くなかったため、家の中の空気は冷めきっていたと聞いた。
一度に家族全部を失ったにも関わらず、Aは泣かず、翌日から詰所隣の建物を買い取り、A呉服の看板を立てた。
詰所の隣を選んだのは、紺炉の親父さんが声をかけたかららしい。
最初は詰所に来るか？という話だったが、Aは首を縦に振らなかった。浅草で唯一耐火服を生業にしているA呉服を潰すわけにはいかない。と言ったらしい。
そこで互いの譲歩として、焼けてしまった元A呉服があった土地を売り、新しく詰所横の建物に移り住む。そして冬は必ず詰所で過ごすこと。と約束をしたらしい。
それからA…Aは、ずっとその家で呉服屋を続けている。
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颯(プロフ) - ナツさん» コメントありがとうございます。残念ながら、私も別サイトにて夢を書いている者ではございますが、お探しの方ではなく大変申し訳ありません。ですが、そんな方とお間違えいただけるとは光栄でございます。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。 (2020年1月2日 11時) (
レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。人違いだったらたいへん申し訳ないのですが、もしかしてかつて別サイトでハリーポッターやナルトやハンターハンターの夢小説を書かれていた方でしょうか。 (2020年1月1日 15時) (レス) id: 8cabdf3766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯 | 作成日時：2019年11月1日 0時
