火消し-3 ページ18
「お婆ちゃんとお孫さんは絶対に私の後ろから離れないでください。」
「ありがとう、Aちゃん」
「いえ…なるべく見えるように炎はコントロールします」
「はい、はい…！ありがとうございます…！！銀二さんの最期を…きちんと目に、焼き付けます…！」
私が護符を発動させたのを確認したのか、紅は銀二さんが開けた天井から纏を使って飛び、更に5本の纏を呼び寄せ周囲に放つ。
崩れていく民家。それを確認した浅草の人たちが最後の手向けにいつものヤジを飛ばしてくる。
中には、銀二さんはいつも大人しく、我慢していた節があるから、しっかりはしゃげ！暴れろ！と声をあげる人もいた。
胸が熱くなる。
紅が「危ねぇから、もうちょい下がれ！クソジジィ共！」と声をあげると「分かってんよ！」と返ってくる。
皆が銀二さんの最期を見届けようとしている。
胸に込み上げてくる熱さを、どうしたらいいか分からなくて、視界が滲む。
浅草の皆の気持ちを背負った紅が家の壁を突き破り、外に出た銀二さんの前に降り立つ。
「あーあークソ商人がァ！見てみろ！周りが滅茶苦茶じゃねェか！銀二！お前ェが普段から我慢してヘラヘラしてっからこうなんだよ！！」
「GA、MNN…」
「大丈夫だ。皆、分かってる。お前ェがくれた気持ち、全部！浅草の奴等は分かってらァ！！だから！お前ェは！浅草の民として散るんだ！！！」
紅の吐き捨てるような大声に浅草の民は声をあげる。
浅草の民として過ごした時間は少なかったかもしれない。
それでも、もう何者にも切れやしない絆がそこにはある。
「紅！」
「紅ちゃん！」
「紅丸ちゃん！」
「紅ちゃん！」
「…っ！紅、お願い！」
「苦しい想いを長引かせて、悪かったな…」
紅はその赤い目を光らせると、纏で銀二さんの動きを止めた。
そしてーーー…
「よく、頑張ったな」
胸を手刀で貫いた。
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颯(プロフ) - ナツさん» コメントありがとうございます。残念ながら、私も別サイトにて夢を書いている者ではございますが、お探しの方ではなく大変申し訳ありません。ですが、そんな方とお間違えいただけるとは光栄でございます。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。 (2020年1月2日 11時) (
レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。人違いだったらたいへん申し訳ないのですが、もしかしてかつて別サイトでハリーポッターやナルトやハンターハンターの夢小説を書かれていた方でしょうか。 (2020年1月1日 15時) (レス) id: 8cabdf3766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯 | 作成日時：2019年11月1日 0時
