火消し-2 ページ17
銀二さんたちは思ったよりも簡単に見付けることができた。
結果的に言えば、銀二さんは焰ビトになっていた。
だけど、苦しいはずなのに、ギリギリの理性を保ち、只…そこに座っていた。
「お婆ちゃん、大丈夫？」
「嗚呼、嗚呼…Aちゃん、紅丸ちゃん…来てくれたんだね」
「紅丸さん、お願いします。どうか、どうか…あの人を…」
「分かってる。その為に俺ァ、来たんだよ」
紅は真っ直ぐに銀二さんに向かっていった。
銀二さんは紅の気配を察知したのか、ゆっくりと正面にある箱を指差した。
まるで、それだけは燃やしたくない。と訴えるように。
紅は頷くと箱をこちらに投げて寄越した。
受け取った箱は酷く軽く、でもやけにしっかりとした手触りの良い箱だった。
「紅…」
「分かってらァ。おいこら銀二！お前ェはどうしたい？浅草の者として散りたいか？只の余所者として散りたいか？浅草の者として散るって言うならァ、俺ァが相手してやらァ」
「…GA、ASAANNNNNN！！」
「A！」
「分かってる！」
銀二さんの炎が天井を燃やす。
紅が構えると、纏が壁を突き破ってきた。
私は準備を進めていた糸を完成まで編み込むと青い炎を灯した。
「空間紋縫いーー護符！」
符を起点とし、青い炎がドームのように広がり、壁となる。
空間紋縫いは壁や衣類等がなく、炎を焼き付けて紋が描けない場合に行う紋縫いである。
私が作った私の炎だけで燃える糸を使用し、指定した場所の糸を燃やして炎を起こし、空間にある酸素を利用して燃やし続けることで紋を描く技だ。
しかし、この空間紋縫いは何もない空間に紋を描くため、高温の炎と炎を紋の形で維持し続けるコントロール力が必要となる。その為、紫の炎では描くことができず、青の炎でのみ描くことができた。更には炎の細かいコントロールを必要とされるため、自身で起こした炎を第二世帯のようにコントロールすることができる力も同時に必要とされた。
故に、その為に作られた私が唯一の使い手であり、我が一族の悲願の体現者であるという非常に嬉しくない証だ。
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颯(プロフ) - ナツさん» コメントありがとうございます。残念ながら、私も別サイトにて夢を書いている者ではございますが、お探しの方ではなく大変申し訳ありません。ですが、そんな方とお間違えいただけるとは光栄でございます。引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。 (2020年1月2日 11時) (
レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。人違いだったらたいへん申し訳ないのですが、もしかしてかつて別サイトでハリーポッターやナルトやハンターハンターの夢小説を書かれていた方でしょうか。 (2020年1月1日 15時) (レス) id: 8cabdf3766 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯 | 作成日時：2019年11月1日 0時
