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「ずっっとここに居たい。ずっと羽生くんと居れる夜が続けばいいのにな……」

『やだよ、狭いし』

俺の隣でハンドルを抱き締めて幸せそうにチョコを食べてる。食べる?なんて言ってくるけど、いらねー。


「狭いのがいいんじゃ〜ん密室だしぃ…ぐふふ」

『気持ち悪い』



本当に星が綺麗で、この景色を見に来れて良かったって思う。

でもさっきから…星より俺ばっか見てるんじゃないかってくらい運転席側からの視線が刺さるんですけど!



至近距離すぎて恥ずかしくなってくる

『星見ろよ!』

「あ!……照れたっ?」

『照れてない、星見ないなら帰る』

「帰んないよ〜運転手は私だからね!決定権なしっ」

『囚われの身だな俺』

「囚われの身!それ良いぃ〜!!ほんとずっとずーっと羽生くんを独り占めしたいぃぃ!!」

『断る』

「ふふっ!可愛い!はにゅーくん照れてる!!」

腕をツンツンしてくる。
てかほんと、近い。


「ねぇ、また来れるかな?また来たい!次はまた別の場所に行きたい!!」



駄目。それ以上言うな。




返す言葉が見つからなくて
軽いみいの言葉を、俺の沈黙が重くさせる。


「また二人でどっか行きたいな…駄目?」


見つめ合う時間に吸い込まれそうになる

運転席側の肘置きに置いている俺の手
ちょっと伸ばせば触れる距離にあるみいの髪に触れたいけど……絶対触れるな俺




「もっと羽生くんと居たい」

だからそれ以上言うなって!




『俺……』

ダメだ、

みいの髪に触れて撫でる……
髪が柔らかくて、
全部どうでもよくなる衝動が押し寄せてくる。


どうにでもしてって瞳で俺を見つめるな!






目があうと、髪にふれたくなる

髪にふれると、肌に触れたくなる

もっと近くに…




『みい……。ほんとは俺が来るべきじゃなかったよね』



「えっ、」


『次は小太郎と来なよ?』


これでいい。これが答え。

俺じゃ駄目だよ。

悲しい目をしないでほしい。
これ以上俺の中に入ってこないでほしい。

凄く居心地が良かったけど
これ以上みいを利用できない。

俺への“好き”が本物になんないうちに、ちゃんと伝えなきゃ。

みいには、普通の幸せを生きてほしい。



『ごめん。幸せになりなよ。帰ろ』




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設定タグ:羽生結弦 , フィギュアスケート   
作品ジャンル:ラブコメ
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王様じゃんぷ(プロフ) - だんごさん» ありがとうございます(ToT)自己満足100%で楽しく書いたので、楽しいって言って貰えて嬉しいです。感謝:) (2021年10月21日 10時) (レス) id: 8d4c9c3192 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。これからの展開どうなるのんかぁー?更新待ってます! (2021年10月20日 14時) (レス) @page41 id: 69db7dc37a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:王様じゃんぷ | 作成日時:2021年5月7日 22時

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