8人目の彼女は性別迷子∞yellow① (ページ19)

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『ほんでそんなことがあったから、マンションに帰るのは危ないってなって、潤の部屋にしばらく住むことになりました』

それを聞いて、ピクッと眉が動く。
俺が1番聞きたかったことやったから。

「…なんで、潤くんやったん？」

『みんなに心配かけたくなかったのと、潤の家やとセキュリティ関係もよくて……まぁ、言ってしまえば腹黒いんやけど、1番都合がいいなって思ったから』

「都合がいい？」

『うん。そんとき怪我してるん知ってたん潤だけやったし、ドラマの撮影一緒で、なおかつ撮影残り3分の1切ってたし。ドラマさえ終われば顔合わせんですむやん？このこと内緒にすれば他のみんなに迷惑かからんで済むって。むしろ、内緒にしてくれるなら何でもするって気持ちも正直あったなぁ』

「は？！なんでもする？！」

聞き捨てならんことを言うな、こいつ。
そんなこと思ってジロッとAを見ると、申し訳なさそうな顔を見せる。

『やって、みんなのこと考えるとそんな気持ちになっちゃっててんもん！今はそんなこと思わんよ？ちゃんと話さなあかんって分かってるから』

「それならいいねん。当時はそう思うほど追い込まれててんなぁ……ごめんな、気づかんくて」

頬を触るとAはふっと表情を緩めた。

『亮ちゃん謝らんで。…誰のせいでもないねん。自分が勝手に追い詰めちゃってただけやから』