8人目の彼女は性別迷子∞yellow① (ページ10)

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「……おかえりぃ」

“ ただいま ” って言われて普通にドキッとする俺。
そのドキドキしてる俺にAは目をキラッキラさせながら寄ってくる。

『きいてきいてきいてきいて！！！』

「えっ、え？！なに？」

『ふっふっふっ近々亮ちゃんとご近所さんになりますよ～！』

「え？！ほんまに？てか展開早ない？」

『わたしもそう思っておる』

「どんな手使ったん？」

『コンシェルジュの人に聞いてみたらオーナーに電話繋いでくれてさ、話ししてたら後日契約しましょうって♡』

「とんとんやなぁ」

『せやろ！てか、亮ちゃんと同じマンションとかめっちゃ幸せやん！やばー！！』

俺の腕をバシバシ叩きながらめっちゃ嬉しそうな顔して言うから、俺どんな顔していいんかわからんくて、目をこする。

「幸せって大袈裟やな」

『大袈裟ちゃうよ！自分の好きな人が近くやと嬉しない？』

「へ？」

『例えば亮ちゃんもすばるん家の近くやったら嬉しいやん？』

あぁ、そういうこと。
好きな人って恋愛ちゃうんか。
そう思うとなんとなく、落ち込む。
ちょっとでも俺をそういう対象で見て欲しくて

「俺はすばるくんより、Aの方が嬉しいけどな」

ちょっとかましてみたけど、Aはヘラっと笑う。

『なにー、もう！亮ちゃん嬉しいこと言ってくれるやーん！』

はい、伝わってませんね。

「はぁ…」

気付かれんようにため息ついて、とりあえずキッチンへ。