41話・夢をさ迷う ページ15
___ポケットから早急に携帯を出し、我が幼馴染み兼親友に電話をかける。
「…あ、新!新!聞いてよ!」
『んー…?どーした葵ー。事件か?依頼か?』
機械越しに気だるげな声で答えるのが、幼馴染み兼親友である卯月新。
「う、うさぎ!」
対して、あまりに現実のものとは思えないほどの大きさのうさぎを見た俺は大興奮、そして軽くパニック状態だ。
『うさぎぃ?』
「黒い大きいうさぎが、居たんだよ…!」
『え、どんくらい?』
「ええっと…、た、多分。多分だけど俺の半分くらいはある!」
『え』
「え?」
『えぇ?』
「え?」
『…でかくね?』
「そうなんだよ!ほんとに大きかったんだって!信じてよ、新!」
『今からは探さないぞ?』
「いやそれは分かってるけど…、明日の放課後とかさ!…ってえ?探すの?」
『え?そりゃそうだろ、気になるし』
「じゃあ明日の放課後?」
『おっけ、じゃあ後で』
「うん、後で」
勢いで電話し、勢いで明日の放課後の予定が決まってしまった。昔からそうだが、変なところで行動力っていうか、判断力があるよなぁ、新は。
…そうところが羨ましくもあり、一緒に居ても飽きない原因なんだろう。…俺も、誰かにはそう思われてるかな。
大きく深呼吸をし、気合いを入れるという意味で足を叩く。
「…よぉっし、頑張るぞ…」
炭酸のペットボトルをカバンの中に押し入れ、早足で駅へと向かう。
いつも途中で気になる視線も、今日ばかりは無視して。速く家に、皆のところに帰ろう。待ってくれている人が居るんだ。なぜか、皆の声が聞きたい、顔がみたい。
とっても綺麗な夕日だ。
信号待ちの時に後ろを見れば、綺麗は夕月夜だ。
さぁ、帰ろう。どんなに辛くて、何度も振り返っても。歩けば何かが待っててくれている。俺の場合、それはツキノの皆だ。
辛くても歩くのは止めない。きっと、何かある。あるはずだから。皆が、待っててくれるから。
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作者名:風雪妃月 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年11月24日 7時