32話・初出勤 ページ2
「行くぞー、涙」
「…ん」
今着ている、今日初めて着た真新しい服。海と似たような感じので、僕の髪、青緑と白がベースになっている、とても綺麗な服だ。
「Puroseraru」、もといツキノ探偵社。これから僕の所属となるところの仕事着らしい。何だか、勿体ない気分だ。
ポート・マフィアでは服は自由だったし、自分の場合は何故か気に入られていたせいで中也のお下がりばっかりで、黒い服が多かった。…唯一、一つだけ持っていた私服は、『ハナミズキ』のあの人に買い与えられたものだった。
そう考えると、自分で服を選ぶという経験はほとんどない気がする。まぁ別に着れればそれでなんでも良いし、そんなの興味もない。目立たないのが一番だ、暗殺にはそれが特に重要視されている。
…まぁ、海が幾つか買ってくれたようで、色とりどりの綺麗な服を、これからは着れそうだ。
所属の本拠地から、このアパートはそう遠くない。…逆に近くて怖くなるくらいだ。だから海…文月?いや、海で良いや。海との会話もしなくて良いし、少し気が楽ではある。
「…郁は居ないけど、大丈夫か?」
そりゃそうか。郁だって、自分と同い年なら学生のはずなのだ。本当なら、自分だって通うのが普通のはずだからな…。
小さく頷いて、部屋の中へと入っていった。
白い、光を見た。強くはない。だが、そんなに柔らかくもない。何か夢を見ているようなキレイな、不透明な光__
「お?やぁやぁ海くん!そしてミナヅ……涙くん!待っていたよ!事務員の子と遊びながら待ってたんだ!あんまりに遅いからさ〜…」
「え太宰さ…」
「か、海……、後任せたぞ…」
「陽大丈夫か!?…ありゃ、夜もやられてる。隼は部屋か?」
あの時に居た、赤い髪の人だ。よう、か。確かに、太陽みたいに赤い髪だ。
その彼は力なく頷く。さっきの光も、この太宰とかいう人の仕業か。…ん?太宰?…聞いたことが、ある名だ。まさか。中也がすっごい形相で嫌いだの言っていた、あの武装探偵社の太宰治か?
…スパイって、悠介と芳樹に言ったけど。あながち、間違ってなさそうだ。
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作者名:風雪妃月 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年11月24日 7時