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―You Side―



『…あ、そろそろお昼休み終わりそうだね』

「おや、そうですね」

保健室の壁掛け時計を一見して、司くんと目を合わせる。するとその瞬間、ぐう、とふたりのお腹の音が共鳴した。


「あ、失敬…」

『ううん、私も』

そういえばサンドイッチ食べてなかった、と片手に持っていたビニール袋を見やる。どうやら午後の授業は空腹状態で受けるしかなさそうだ。


けれど。

『凛月くん、まだ起きなさそうだよねえ…』

「私たちが傍にいなくとも心配はないと思いますが…」


どういたしましょう? と問いかけられる。私も司くんと同じ考えではあるが、起きた時に誰もいないと寂しいのではないかと思うのは余計な心配だろうか…。


『私、凛月くんが起きるまで居ようかな。司くんは授業出ておいで』

「…承知いたしました。ですが、Aさんは授業に出なくてもよろしいのですか…?」

『大丈夫大丈夫。あとで先生にはちゃんと言っておくし!』


そう言って、始まっちゃうからはやく行っておいで!と司くんの背中をぐいぐいと押す。

背中を押されて少しあたふたしている彼は思い出したようにこちらを向いて、


「そういえば例のSweets vikingですが、今週の空いている放課後などいかがでしょうか…?」

『あっ、そうだね、多分大丈夫だと思う!』

たしか今週は、急いでやらなければいけないことや大きな用事もなかったはず。

空いてる日あとで連絡するね、と告げると、司くんは満足したように「承知いたしました。凛月先輩のこともよろしくお願いいたします!」と保健室をあとにしていった。


廊下で司くんを見送ったあと、再度保健室に足を踏み入れる。

流石に佐賀美先生が来たら教室戻ろうかなぁ、とカーテンを開けると、ついさっきまで寝ていたはずの凛月くんが完全に上体を起こしていた。


『凛月くん起きてたんだ。体調どう?』

「体調は大丈夫。ていうか俺保健室で寝てたっけ…」


寝起きの割にぱっちりと目が覚めている様子の彼を若干不思議に思いつつも、保健室にいる経緯を説明する。

『あとで司くんに謝っときなよ〜? 倒れてる凛月くん見て泣きそうになってたよあの子』


「あ〜、なんか想像つく。

…そういえばA、ス〜ちゃんと出掛けんの?」


『え、まあそうだけど…』


いつから起きてたの…? と聞くと、昼休み終わりそうだね〜と話していた段階から起きていて、ただ空寝していたらしい凛月くん。いやすぐ起きなよ…。


.

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綺月(プロフ) - やっばいですキュンキュンしすぎて死にそうです (2021年10月24日 22時) (レス) @page44 id: 4b09ec865e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫水 | 作成日時:2020年7月26日 15時

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