検索窓
今日:19 hit、昨日:5 hit、合計:73,479 hit

_94 ページ46

―You Side―



「Aさんが助けてくださって本当に助かりました.......」


『いやいや!凛月くんも大事なくて良かったね』



パイプ椅子に座ったまま、申し訳なさそうに頭を下げているのは司くん。


ここは保健室。そして、私たちの目の前にあるベッドには、凛月くんが少し苦しそうに横たわっている。

まぁそれでも、最初に見つけた時よりはだいぶ顔色も回復してきた方だった。



「は〜…心臓が止まるかと思いましたよもう…」


『そうだね、あの時の司くんの焦りようといったら…ふふ』

「笑わないでください〜!死んでいるのかと思ったんですから!」


涙目で訴える司くんに、失礼だけど笑いが止まらない。


そう、事件が起こったのは昼休みのこと…。

英智くんは至急の生徒会のお仕事があるとかで、久しぶりに1人でお昼を済まそうとしている時だった。



いつものように購買部でサンドイッチを買い、どこで食べようかな〜と中庭をうろうろしていると、こちらへ走ってくる赤髪の子がおり…。


お察しの通り、その子が司くんである。もう今にも泣きそうだったというか、多分泣いていた。


「Aせんぱい〜〜〜!!! 助けてください〜〜!!! 司はもうどうすれば良いのか……!!!」


『えっ、ちょ、どうしたの…!?』


私を視界に入れた瞬間、縋るように足元で崩れ落ちた司くん。心配でしゃがむと、項垂れていた司くんの顔ががばっと上がり少しびっくりする。



「あの、あ、り、りつせんぱ……りつせんぱいが…!!!」


『まず司くんが落ち着こうか…!!』



ぽろぽろと涙をこぼし、パニック状態になっている背中をさすって落ち着かせる。
20秒ほど経つと、呼吸とともに激しく動いていた背中も安定してきた。



「すみません……もう大丈夫です、情けないところを……」


『ううん、気にしないで』



もう大丈夫だろう、とゆっくり立ち上がらせると、再度「すみません、ありがとうございます」と少しばかり恥ずかしそうにする司くん。



『それで、一体なにがあったの…?』



「実は先程、Garden spaceの隅で倒れている凛月先輩を発見しまして…」



.

_95→←_93



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (114 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
335人がお気に入り
設定タグ:あんスタ , 天祥院英智
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

綺月(プロフ) - やっばいですキュンキュンしすぎて死にそうです (2021年10月24日 22時) (レス) @page44 id: 4b09ec865e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紫水 | 作成日時:2020年7月26日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。