貴様らとっくに両想いだからな！？[２]【天祥院英智】 (ページ35)

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－You Side－

「あのね、Aちゃん」

『っ、』

いつもと同じ場所でお昼を済ませていたとき、ふと隣から声が掛かる。

少し顔を上げてみれば、結構な間近に英智くんの顔面があって、危うく喉につまらせるところだった。

「……大事な話だから、真剣に答えてほしいんだ」

突然のピリピリとした雰囲気に、首を傾げる。

常時微笑んでるような印象が強すぎて、英智くんのこんな表情はなかなか見ない。

心臓がどくどくしているのを感じつつ、次の言葉を待った。

「もし自分が愛の告白されたとしたら、君はどうする？」

『…………んん？』

思ってもいなかった言葉が出てきて、数秒固まる私。

すると英智くんはいつの間にか普段の表情に戻っていて、不思議そうに「お～い？」と手をフリフリしている。

「大丈夫？」

『うん……ちょっとね、英智くんが予想外なこと言うからビックリして、』

「へぇ。ちなみに、どんなことを考えていたの？」

『い、言わない。英智くん怒るかもしれないし……』

そう言っても、うまくは納得してくれないのが英智くんで。

なんて拷問だろう。既に悩みは晴れたのに、よりにもよって「別れ話切り出されるかと思った～」なんて言えるわけがない。

「怒らない……とは約束できないけど、最低限怒らないようにはするから」

「大丈夫。言ってごらん？」

『いやいやいやっ、それ全く安心要素ないから！』

ずずいっと前のめりになる英智くんの肩を必死に押し返す。

それでも力の差が当然あるわけで、残念ながらびくともしなかった。

『っあーー！！』

『時計見たらいつの間にかもう5分前だよ！！戻らないと...！！』

これはマズいと思い、やけくそ気味ではあるけれどどうにか視線を外そうとする。

そして空袋を片手で掴み取り、そそくさと階段を降りた。

『っ英智くんも早くおいでよ、遅れちゃうよ？』

特に焦る様子もない彼は、呑気に「そうだねぇ」と座ったまま。
そして、不思議と怪しげな笑みを浮かべている。

『……えっと、英智くん？』

やっとこさ降りてきたと思えば、途端に手のひらをすくい上げてくる英智くん。

すると彼はそのまま口を開いて。

「そんなふうに話を逸らそうとしても、かわいいだけだよ？」

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