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Prologue ページ2










私が弓道に興味始めたのは、7歳の頃だった。

喘息が酷くて、楽器や運動の習い事がピンと来なくてじぃじが弓を引いた姿を見た。

そして、西園寺先生の射型が目に焼き付くほどとても綺麗で『カーン』とする音に惹かれた…

天翔ける弦音、的音……ドキドキと鳴り止まぬ胸の鼓動。


「ママ、あれやりたい…」

「えっ?でも……」

「やりたい、じぃじに聞いたら教えてくれるかな?」

「どうかなぁ、ちょっと相談してみようかな?」

「やった!」


じぃじに軽く遊び程度に的前に胴造りに足踏みをしたり、ゴム弓で弓を引く練習をしてみたりと地道だけど大切なことだと教えてもらった。

そして、小学5年生の時に袴を着て初めて的に弓を当てた時、嬉しかったのを覚えている。




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中学1年生の時、全国大会に他校の上級生に絡まれた。何が気に食わないのか、理由もよくわからなかった…

手を強く握られ、身体を突き飛ばされるところを助けてくれたのが愁だった。


「大丈夫…?」

「うん、助けてくれてありがとう…」

「医務室まで送るよ」


これが私と愁との出会いだった。

それから冬休みにじぃじの家に遊びに行ったときに、初詣で泣きじゃくる迷子の女の子に出会った。

「どうしたの?」と聞いてみるとどうやら迷子になってしまったらしく一緒に探してあげた。


「えっ…」

「君は確か…」

「あ、全国大会の時、助けてくれてありがとうございました」

「いや…今はお礼を言うべきなのはこちらだよ。
ありがとう、妹の沙絵を見つけてくれて」

「どういたしまして。じゃあ、私はこれで…」

「…君、名前は?」

「春日野A」

「俺は藤原愁…」


そして大会で会う度に少し話して、たまたまじぃじの家に遊びに来て近くの道場で偶然に会って、一緒に弓を引いた時は本当に嬉しかった。

その時はまだ携帯を持っていなかったから文通を交す様になった。互いのこと、弓以外のこと学校のことやその時の出来事を手紙で伝えあった。

もっと知りたい…彼のことが…

同じ中学生で同じ年なのに大人びていて、真面目で努力家で優しい。そんな彼を好きになるのに時間はかからなかった…




夏休み、一緒に行った夏祭りに私は愁に告白した…




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作者名:るあ | 作成日時:2023年2月19日 10時

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