幼馴染が私にだけ意地悪な件【夢野 幻太郎】

5話 ページ5

⚠幻太郎のかなりひどい行動を描写する場面があるので解釈違いの方は注意してください⚠


夢野『ははっ、あなたみたいな女に本気で告白するわけないでしょう、からかわれているのもわからないのか！』

つかみあげた腕をそのまま引き寄せられ、罵られたAは悔しそうな顔を

しながら幻太郎から目をそらした。

A『うるさいったら！』

渾身の力で幻太郎を突き飛ばし、つか

まれた腕をなんとか振りほどいて彼か

ら身を離したAは、自分の手首に

あるはずのものが無くなっていること

に気づき、みるみる青ざめていった。

A『ない…！』

幻太郎がいることも忘れ、Aは勢

い良くその場にしゃがみ込むと、慌て

た様子で両手を地面に這わせる。
夢野『これのことですか？』

A『あっ！！』

幻太郎は自分の足下にあったものを拾い、見せつけた。

それは、小さな花の飾りがついたブレスレットだった。

だいぶ年季が入っているように見える。

A『返して！』

幻太郎『おやおや、拾ってくれた人に対してその態度はないんじゃないですか？？』

つかみかかってきたAをひらりと

かわし、幻太郎はニヤリと意地悪な笑

みを浮かべた。

幻太郎『さっきの男になんて返事をしたんですか、まさかイエスと答えてないでしょうね』

A『幻太郎には関係ないでしょ！？』

幻太郎が天高く伸ばした手の先にある

ブレスレットに必死に手を伸ばそう

と、Aは幻太郎の服を引っ張りながら背伸びをする。

Aの反抗的な返事を聞いた幻太

郎はいよいよ頭に血が上り、指に挟ん

でいたそれを乱暴に握りしめると、

湖に向かって投げた。



キラキラと舞い上がったブレスレット

はしばらくしてぽちゃんと水音を立

て、そのまま湖の底に沈んでいった。

その光景を唖然として見ていたAは、


その水音を聞いた瞬間、幻太郎の

服をつかんだまま、その場にへたりこんだ。

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