3話 ページ3
小学生の頃は男と見間違えるくらい
がさつでぺったんこだったのに、中学を卒業する頃
にはあいつの肉体の成長は著しく、いまやすっかり
数多の男を虜にする"女性"になってしまった。
刺々しいことを言うのは俺の前でだけで、普段は明
るく優しいあいつの性格に惹かれる男も多いのだろう。
そのことを考えると、幻太郎は自分の内臓がぐつぐ
つと煮え返り、かっと熱が上るのを感じた。
そういったこともあり、ここ数年の夢野 幻太郎は進
んでAの容姿をなじった。
周囲から見れば魅力的に映るそのすがたかたちに、
コンプレックスを植え付けてやることが楽しくてな
らないのだ。
幻太郎の努力が実り、Aは自分の女性的な部分に
引け目を感じ、周囲からの好意には鈍感で無頓着な
人間に成長した。
誰よりもAを嘲りながら、誰よりも彼女の魅力に
気がついている夢野 幻太郎は、彼女を可愛くないと
僻む女子には黙れドブスがと脳内で罵倒し、鼻の下
を伸ばしながら彼女を可愛いと褒めるよこしまな男
子にはいつか殺すと脳内で暗殺計画を立てている。
非常に複雑な感情を持つ男になってしまっていたのだった。
264人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るうみ - 続きめっちゃ気になります()無理せず頑張って下さい!応援してます (2020年1月6日 23時) (レス) id: d801fe8186 (このIDを非表示/違反報告)
そーか - 続きが楽しみです!頑張って下さいね! (2019年12月31日 23時) (レス) id: 43c04a9725 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2019年12月31日 13時