鋭いアンテナ ページ13
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「んじゃ、とりあえず打ち合わせ行って来るから。デート気分になったら連絡して?」
ヒョクちゃんはそう言ってから仕事へと向かった
玄関までお見送りをしてから
ソファーに戻って冷めきったコーヒーを飲み干した
ヒョクちゃんとフタリで出かけるなんて、
いつぶりだろう?
んー、思い出すことも出来ないぐらい前?
まぁ…いつも一緒にいるしね
ドンへが…
最近あんまり良いことがなかったし、
ヒョクちゃんとお出かけして
パーッとストレス発散!ってのも悪くないかなー
甘い雰囲気はもちろん求めてないけど、
“ヒョクちゃんとデート♪”って気分でテンションあがっちゃう
とりあえず、
「細かい片付けしちゃおー」
なんて鼻歌交じりに動こうとした時…
「ダースベイダー!?」
全身を冷気に包まれる
恐る恐るダースベイダーへ近づく…
いや、
アタシが近づくのは
ダースベイダー音を鳴らすケータイ
心構えが出来るようにと設定した音なのに、
こんなに怯えるのはいつものこと
毎回、電話の後に
平常心でいられるように着信音を変えようと思うのに、
そんな行動力すら捥ぎ取られてしまうらしい…
「ヨ、ヨボセヨ…?」
『ヤー!遅い!』
出ることが遅かったことにご立腹の様子…
「ご、ごめんね…。部屋の片付けしてて」
見えないのをいいことに、ウソで弁解
「もう、片付くところだったからヒニムに電話しようと思ってたんだよー!」
それっぽく伝わるように明るい声で
HC『まぁ、それならいいけど。オレ様からの電話はすぐに出られるようにしとけよ!わかったな!?』
「もちろん!いつもその心構えです!」
この言葉に嘘はない
ヒニムからの電話に出られないなんて
アタシの人生が終わってしまうに違いないって思うぐらいの恐怖…
HC『で、どうだ?』
「ん?なにが?」
HC『なにがって、アイツらに変なことされてねーだろうな?』
「…変なことって?」
HC『んー、“アレやれ、コレやれ”とか、“朝起こせ”とか。あとは“どっか行こー”とか? ドンへとヒョクチェなら言い出しそうだからな。Aいいか?絶対に言うこと聞くなよ?アイツら調子に乗るからな!』
「はい……」
その後、ヒニムはウネ対策を「これでもか!」ってぐらいに語り尽くした
“朝起こせ”と“どっか行こー”をウネからすでに言われたことは口が裂けても言えない
宇宙大スターには鋭いアンテナが張り巡らされてる模様…
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作成日時:2014年1月23日 0時