No.044 好きな相手は ページ5
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「Aちゃん、俺たちは貴族だ。基本は
親に決められた相手と生涯を共にしなければならないけれど
好きな人と結婚できるチャンスがあるなら、
迷わずそれを選ぶべきだと、俺は思うね」
「どうして？」
「好きな人と一緒になれる方が、何倍も幸せだから」
「……佳くん、好きな人いたの？」
やけに真剣な口調の佳正さんに、思わずそう訊いてしまう
私のことをよく気にかけてくれていたとはいえ、
私より仲の良い女性なんて、
私には想像つかないほど、きっとたくさんいたんだろう
「……いたけど。その人と結婚できないのは知ってたから」
「そうなの？」
「ああ。こんな思い、Aちゃんにはして欲しくない」
受話器から聴こえてくる切実な声に、胸が痛くなる
佳正さんの好きな人は、誰だったんだろう
結婚できないことを知っていて、それでも好きだったんだ
もしかして既婚者？それとも、身分違いとか？
まさか、親族なんてことはないだろうけど
「だからね、Aちゃん。
相手のことが好きなら、迷う必要はないんじゃない？」
「……恋愛的に好きってことがよくわからなくて。
恋って、どんな気持ちになることなのかな」
「……触れたいとか助けてあげたいとか、
その人が自分以外の人と仲良くしてると苛立つとか、
そういう気持ちになる人のことじゃないかな」
「仲良くしてると苛立つ……」
「そういうの、ヤキモチっつーんだけどね」
「ヤキモチ？」
「そう。俺はいつもさ、その子の執事にヤキモチ焼いてた。
風呂まで入って身体を洗って、時には同じベッドで寝て、
執事とはいえ俺以外にそんな男がいるのが許せなかったよ」
「執事にまで？」
「ああ。執事だって男だからな。そういや、
Aちゃんは執事のことは好きにならないのか？」
「好きだよ、彼らが私以外の人の話することないから、
ヤキモチは焼いたことないけど」
「そっか。でも離れるのは嫌なんだよな？」
「うん……」
「もう少し考えてみればいい。
執事とさよならしてもいいって思えるくらい好きな人が、
これからできるかもしれないし、さ」
「そうだね。話聞いてくれてありがと、佳くん」
「それに、今の時代、結婚にもいろんな形があるからな」
結局、佳正さんの好きな相手が誰だったのかは
わからないまま、電話は切れた
久しぶりに話したけど、やっぱり佳正さんは優しかった
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ライ(プロフ) - 珠璃さん» そうなんですね、了解です！ありがとうございます！ (2022年5月20日 17時) (
レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - ライさん» 御二方いらっしゃるんですけど元々は中村悠一さんと小西克幸さん目当てで読ませて頂いてました！ (2022年5月20日 14時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 珠璃さん» 初コメントで優しいお言葉をくださり、ありがとうございます、本当に嬉しいです。これからも頑張ります！ちなみにですが、誰を目当てに読み始めたとかはありますか？ (2022年5月20日 2時) (レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - 更新ありがとうございます、執事達との婚約パターンも見てみたいです、この作品を知ってから更新されるのが待ち遠しいです。気長に待ちますので、作者様のペースで更新なさってください。これからも楽しみにしています！ (2022年5月20日 0時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TOA | 作成日時：2022年5月3日 2時
