＊113 停電 ページ23
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日が落ちかけた帰り道に、2人並んだ影が映る。
水族館を一通り堪能し、そのあとショッピングをして、普段行かないようなお店でご飯を食べて。
人が多いところではさすがに手を繋いだり、くっついたりできなかったけど、それでも2人で過ごす1日は本当に楽しくて。
あっという間だったなぁ……
江口「…なんか今日1日過ぎるのめっちゃ早い」
『えっ…』
……今、私も同じこと思ってました。
拓也さんも私と過ごした今日を楽しいと思ってくれたのかなって思うと、嬉しくて顔がニヤける。
江口「次は休み取って旅行とか行きたいね」
『わ、いいですね！行ってみたい！』
江口「俺ねー北海道行きたい。食べ物うまいじゃん？」
『魚介とかね。私はー…熱海行きたいなぁ』
江口「あーいいね、温泉あるし」
私たちが長い休みを取れるのはなかなか無い。だから旅行に行けるのは数ヶ月先、もしかしたら1年くらい先のことかもしれない。でも…
どこへ行って、何をしようか。
これから先のことを好きな人と一緒に考えるこの時間が、何より楽しくて幸せ。
隣を歩く拓也さんを見上げると、横目で私を見たあとにすぐさま目を逸らされる。
……まただ。
なんだか水族館を出たあとからやけによそよそしいというか、変というか…、それでもやっぱり優しいのは変わらないんだけど。
江口「ただいまー」
『ただいまー。これ冷蔵庫に入れておきますね』
江口「ん、ありがと」
家に着いて、鞄を下ろしたあとにリビングの照明をパチンと点ける。
そしてキッチンへ向かい、帰りに買ったケーキ屋さんのスイーツを冷蔵庫に入れたときだった。
パチン、と先程点けたばかりの照明が消える。
『へっ！？停電…、』
江口「停電じゃないよ」
いきなりの暗転に戸惑っていると、すぐ背後から拓也さんの声がして、腕が伸びてきて後ろから抱きしめられる。
江口「俺が消した」
『っ…』
なんで、とはもう聞く必要がないと頭で分かってしまった。
耳にかかる拓也さんの息が、すごく熱い。
江口「…ごめん、今日は我慢しようって決めてたのに」
『ッん…』
江口「今日、ずっとAに触りたくて触りたくて仕方なかった」
スルリ…、拓也さんの長い指が頬を伝って、唇をクッと押される。
江口「…ねえ、したい。してもいい？」
『っ…』
してもいい？だなんて、私が断らないこと分かってるくせに…
拓也さんの手にそっと自分の手を重ねて、コクリと頷いた。
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gtuysut5843…(プロフ) - 好きです最高です素晴らしい作品をありがとうございました。 (2022年7月20日 0時) (
レス) @page49 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ほの - めっちゃよかったです！！最初から3個目までぶっとおしで読みました！素敵すぎるお話ありがとうございます！！ (2022年3月28日 23時) (レス) id: 717802fa3e (このIDを非表示/違反報告)
かぬ - めっちゃ好きです…！！！文才分けてくださi(((((( やっぱ江口さんは江口さんで安心しました！！！← 素敵な作品ありがとうございました！（ぶっ続けで読んでたやつ） (2021年12月28日 15時) (レス) @page49 id: a3ef6512e0 (このIDを非表示/違反報告)
松(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！！！！！ (2021年8月15日 23時) (レス) id: 2d208b8020 (このIDを非表示/違反報告)
侑李(プロフ) - 正直三周目ですが全然飽きません！素晴らしい作品をありがとうございます！！ (2021年3月5日 0時) (レス) id: 22f938d982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2020年4月22日 18時
