＊112 子ども ページ22
*
・
『…男の子とお母さん、会えてよかったですね』
江口「うん、いい事した気分！」
『ていうか拓也さん、小さい子の扱い慣れてません？』
江口「そお？まぁ妹いるしね」
『あ、なるほど』
江口「…あ！向こうのエリア”気持ち悪い深海魚・深海生物コーナー”だって！行こう！」
『…拓也さんそういうの好きですよね』
ルンルンで私の手を引く拓也さんを他所に、さっきの男の子を抱えてた拓也さんの姿を思い出す。
…………似合うなぁ、って、思った。
拓也さんがパパになったら、こんなふうに子供に接するのかなぁ、って。
江口「……A？具合悪い？」
『…え？』
江口「なんか深刻そうな顔してたから。やめとく？深海魚」
『や、そんなことないです！ちょっと考え事してただけで…』
江口「考え事？」
あ、しまった。
と思ったときには既に遅し。
江口「なに？考え事って。言ってよ」
『いや、ほんと大したことじゃなくて……』
江口「まーた俺に秘密にするんだ。頼ってくれないんだー俺のこと」
『そういうつもりじゃ…、』
江口「じゃあ言って」
拓也さんの言う”また”は、たぶん以前の慎也くんの事件のことで。
あの日から私が少しでも考え事したり悩んでたりすると、話すまで許してくれないんだよなぁ……
だからって、これはさすがに言うの恥ずかしい。
江口「ねえ」
『う…、言わなきゃだめ？』
江口「だめー」
『ほんとに大したことじゃないんですけど…』
江口「はい、カウントダウン！さん、にー、」
『えぇ！？』
「はーやーくー」とカウントし始めた拓也さんに急かされて、もう言ってしまえと口を開く。
『子供欲しいなって！思って……マシタ…』
江口「…へっ？」
恥ずかしくて語尾を濁らせてしまったけど、意図はしっかり伝わったようで。
かあっと頬を染める拓也さんにさらに羞恥心が込み上げる。
『だから大したことないって言ったじゃん！！』
江口「や、俺にとっては大したことあるんだけど…」
『もう！拓也さんのバカ！ブロブフィッシュ！』
江口「ブロッ……それめっちゃキモイやつじゃん！」
「ねえ待ってよ」と早足で歩き始めた私を追いかける拓也さんは、なんだか嬉しそうでニヤけてる。
私の悪態を照れ隠しだと知ってる拓也さんには、私の本心はもうバレバレなんだろうなぁ。
『(……ん？)』
私、もしかしてすごい爆弾発言をしたんじゃ…
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gtuysut5843…(プロフ) - 好きです最高です素晴らしい作品をありがとうございました。 (2022年7月20日 0時) (
レス) @page49 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ほの - めっちゃよかったです！！最初から3個目までぶっとおしで読みました！素敵すぎるお話ありがとうございます！！ (2022年3月28日 23時) (レス) id: 717802fa3e (このIDを非表示/違反報告)
かぬ - めっちゃ好きです…！！！文才分けてくださi(((((( やっぱ江口さんは江口さんで安心しました！！！← 素敵な作品ありがとうございました！（ぶっ続けで読んでたやつ） (2021年12月28日 15時) (レス) @page49 id: a3ef6512e0 (このIDを非表示/違反報告)
松(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！！！！！ (2021年8月15日 23時) (レス) id: 2d208b8020 (このIDを非表示/違反報告)
侑李(プロフ) - 正直三周目ですが全然飽きません！素晴らしい作品をありがとうございます！！ (2021年3月5日 0時) (レス) id: 22f938d982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2020年4月22日 18時
