＊93 行ってらっしゃい ページ3
*
・
2人で朝食を食べて、拓也さんは仕事に行く準備。
私はまだ時間に余裕があるから、片付けと洗濯物を済まそうと思う。
江口「ごめん、任せちゃって」
『全然大丈夫です！準備出来ました？』
江口「うん。今日からしばらく会えなくなるね」
『言っても1週間でしょ？あっという間ですよ』
江口「それでも俺は寂しいのー」
そう、今日から拓也さんは俺癒のロケとKiramune関係でしばらく家を空ける。
同棲してからもお互いお仕事に追われる日々で、おまけに生活リズムも違うから、2人で家で一緒に過ごすことはあまりなかった。
どっちかが寝てる時に帰ってきて、どっちかが起きた時にはもう家を出てる。
“一緒の家に住んでるのに、なんでだろう……心が寂しい”
なんて、昔宏太朗が拓也さんと同棲してたときに言ってたなーなんて思い出す。
あの時は『何言ってんだ乙女か』って宏太朗を笑ってたけど、
今ならその気持ちがすごく分かる。
『今日は久しぶりに拓也さんに言えるから良かった』
江口「ん？なにを？」
玄関で靴を履いた拓也さんが立ち上がる前に、その肩に右手を添えて顔を寄せ、ちゅ、と短いリップ音が鳴る。
『行ってらっしゃい』
そう伝えると、目をパチクリさせた拓也さんがどんどん眉をしかめて険しい顔になっていく。
え、なにそれどういう感情？
『拓也さん、顔が面白いです』
江口「顔が面白いってなによ……今自分の欲と戦ってんの」
『欲ってなん、』
なんですか、と言い終わる前に鞄を置いて立ち上がった拓也さんの影が不意に落ちてくる。
瞬間。
ちゅ、と短いリップ音。
江口「行ってきます」
いつもの顔で笑って、マスクを付けながらドアを開けて出て行った。
『……はああぁぁ……』
ドアが閉まってから5秒後、固まってた体が力が抜けて両手で顔を抑えながらしゃがみこむ。
朝からあれは、反則すぎでしょう………。
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gtuysut5843…(プロフ) - 好きです最高です素晴らしい作品をありがとうございました。 (2022年7月20日 0時) (
レス) @page49 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ほの - めっちゃよかったです！！最初から3個目までぶっとおしで読みました！素敵すぎるお話ありがとうございます！！ (2022年3月28日 23時) (レス) id: 717802fa3e (このIDを非表示/違反報告)
かぬ - めっちゃ好きです…！！！文才分けてくださi(((((( やっぱ江口さんは江口さんで安心しました！！！← 素敵な作品ありがとうございました！（ぶっ続けで読んでたやつ） (2021年12月28日 15時) (レス) @page49 id: a3ef6512e0 (このIDを非表示/違反報告)
松(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！！！！！ (2021年8月15日 23時) (レス) id: 2d208b8020 (このIDを非表示/違反報告)
侑李(プロフ) - 正直三周目ですが全然飽きません！素晴らしい作品をありがとうございます！！ (2021年3月5日 0時) (レス) id: 22f938d982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2020年4月22日 18時
