＊107 弱い ページ17
*
・
目を開けると部屋はまだ薄暗くて、カーテンの隙間から見える空は夜明け前なのかうっすら暗い。
ボーッとしながら身体を起こそうとすると、体中……主に腰にビキッとした痛みが走って再び体を倒す。
『いったぁ…』
腰をさすり一人で痛みに悶きながら、元凶である隣で眠る拓也さんに目を向ける。
なんとも幸せそうで、安心しきった寝顔。
昨日の狼みたいな彼とは大違い。
____
『ぁっ、い、っぁあ……ッ！』
江口「ッ、ん…くっ、」
『…あ……は、あ……』
江口「……A…もっかい…」
『もう、むり、むり、…ゃ、あっ』
江口「全然、足んない…」
___
『……』
死ぬかと、思った。
拓也さんの体力を完全になめてた。
途中からの記憶が曖昧でよく覚えてないけど、拓也さんに「好きだ」と言われる度に甘い痺れがやってきたのは覚えてる。
『…やめよう、うん、やめよ』
思い出したら急に恥ずかしくなってしまって、寝てる拓也さんを起こさないようにベッドから抜け出そうと毛布をめくる。
『あれ、なんで私服着て…、っんわ！？』
布団をめくって自分が服を着てることに驚いていると、後ろから手首を引き寄せられて再びベッドへと倒れ込む。
江口「どこ、行くの」
『拓也さん起きてたんですか！？』
江口「さっき起きた。おはよ」
『お、おはようございます…』
江口「ねーぇ、どこ行くの」
私を抱きしめて胸に頭をグリグリ押し付ける拓也さんは、起きたばかりのせいかいつもより体温が高い。
『拓也さん、朝ごはん作らないと…』
江口「いーよ作んなくて。今日オフでしょ？」
『う、そうなんですけど……』
何か別のことしてないと昨日のこと思い出しちゃって恥ずかしいんですよ！！
なんて正直に言えたらいいのに。
『…あ、私の服拓也さんが着せてくれたんですか？』
江口「ん。風邪引いちゃったら困るでしょ？」
『ありがとうございます……って、だったら拓也さんも上着てください』
江口「俺はいーのー」
『よくない！』
もう、人のことばかりで自分には無頓着なんだから！
床に落ちてる拓也さんのシャツを拾いあげようとすると、後ろから優しく抱きしめられる。
江口「…昨日は無理させてごめんね」
『っ…いい、ですよもう…』
江口「ほんとに？怒ってない？」
『怒ってない』
本当は殴りたいけど、腰が痛すぎるのとその子犬みたいな顔されて殴れるわけがない。
私も大概、この人に弱い。
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gtuysut5843…(プロフ) - 好きです最高です素晴らしい作品をありがとうございました。 (2022年7月20日 0時) (
レス) @page49 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ほの - めっちゃよかったです！！最初から3個目までぶっとおしで読みました！素敵すぎるお話ありがとうございます！！ (2022年3月28日 23時) (レス) id: 717802fa3e (このIDを非表示/違反報告)
かぬ - めっちゃ好きです…！！！文才分けてくださi(((((( やっぱ江口さんは江口さんで安心しました！！！← 素敵な作品ありがとうございました！（ぶっ続けで読んでたやつ） (2021年12月28日 15時) (レス) @page49 id: a3ef6512e0 (このIDを非表示/違反報告)
松(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！！！！！ (2021年8月15日 23時) (レス) id: 2d208b8020 (このIDを非表示/違反報告)
侑李(プロフ) - 正直三周目ですが全然飽きません！素晴らしい作品をありがとうございます！！ (2021年3月5日 0時) (レス) id: 22f938d982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2020年4月22日 18時
