やめてください江口さん。 2

＊57 マモ兄 ページ10

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宮野「しまちゃーーーん！！」

『ぐへっ！？』

宮野「めっちゃ久しぶりじゃん！事務所行ってもなかなか会えないからさー！元気だった！？」

『げ、元気です……』


久しぶりに事務所に訪れると、忙しくてなかなか会えないマモさんがすごい勢いで飛びついてきた。


マモさんは私が子役のときからずっと可愛がってくれてるけど、その可愛がり方が異常すぎて私も周りも困ってしまうことが多々ある。



宮野「今何か欲しいものとかないの？お兄さんが買ってあげるよ？」

『あ、今のところないので大丈夫です』

宮野「ほんとに？遠慮しなくていいんだよ？そのまま自宅に送るし」

『いや、本当にないので……マモさん相変わらずですね』

宮野「しまちゃんも相変わらず可愛いね！昔は”マモ兄、マモ兄”って俺の後ついてきてた子がもうこんなに立派になって………うぅっ…」



大袈裟に涙を拭く仕草をするマモさんを見て思わず笑ってしまう。


背がめちゃくちゃ高くてイケメンさんなのに、いつもギャグセンス持ってるのがすごい。



『今度のライブ、頑張ってくださいね』

宮野「うん！しまちゃんも忙しいと思うけど、お互い頑張ろう！」

『はい！！』

宮野「んー！やっぱしまちゃん可愛いー！！
ハグさせてハグ！」

『いいですよ〜……いだっ！？』


木村「いやダメだろ」


マモさんの言葉に手を広げようとすると、頭に結構な衝撃が走った。


頭を抑えながら振り返ると、良平さんが結構分厚いファイルを持って立っている。


犯人はそのファイルの角らしい。



『良平さん！それ地味に痛いやつ！』

木村「知ってるからこれ使ったんだよ。ていうかマモちゃん、さっきからマネージャー呼んでるよ」

宮野「あっほんとだ。じゃあ、また共演できたらよろしくね、しまちゃん！良平さんもバイバイ！」

木村「ん、じゃあね〜」


眩しい笑顔で手を振って颯爽と出て行ったマモさんを見送る。


太陽みたいというか、台風というか……


相変わらずエネルギッシュな人だなぁ。



木村「…お前ね、あんま男にハグとかさせんなって」

『え？なんでですか？私マモさん好きだから全然大丈夫ですよ？』

木村「Aが良くても、あいつがダメだろ」

『あいつ？』

木村「えぐだよえぐ。江口」

『いや、ないない。江口さん嫉妬しませんもん』

木村「いや、そう見せてるだけだって…」

『ていうか良平さん、今日呑み行きません？』

木村「聞けよバカ、行くよ」

『やったぁ！』



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