*89 キスマーク ページ42
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監督「しまちゃーん」
『はいっ……!』
監督「さっきの表情すごい良かったよ!感情がのっててつい引き込まれた!」
『わ、ありがとうございます!!』
監督「その調子で本番も頼むよ!じゃあ、お疲れ!」
『お疲れ様でした!』
身支度を終えて帰ろうとしたところ、監督さんにさっきまでの舞台練習について褒められた。
舞台に立つのは久しぶりだったから上手くできるか心配だったけど、子役の時からの教育が体に染み込んでいて助かった。
ありがとう、ひまわり……!
じーん…と自分の事務所へ感謝をしていると、出口付近で私に手を振ってくる人物を発見。
その人を見て、ぱあっと気分が跳ねる。
『えっ、どうしたんですか拓也さん』
江口「たまたま近くで仕事だったから、様子見に来た」
『あっ…そういえばアニメの収録って言ってましたね。お疲れ様です』
江口「うん、お疲れ。監督に褒められてたね、良かったじゃん」
「相変わらず演技がお上手なことで」と優しい顔で頭を撫でられる。
そんな拓也さんにかぁっと顔が熱くなる。
『そっ…んなこと、ないです…』
江口「えぇ?すごいことじゃん。
……ていうか、なんでそんなにソワソワしてんの?」
『や、ソワソワなんてしてないです』
ウソ。
正直すごくソワソワしてます。
江口「…………あ」
何かピーンと来たような表情をした拓也さんが、
「もしかして…」と私の耳元に寄ってくる。
江口「……俺がつけたキスマーク、見られた?」
『っ…!?』
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「はッ…、ね、ここ、舐めていい……?」
『ゃっ…だ、めっ……!』
「……舐めるね」
『やだ、やッ……』
________________
『〜〜〜ッ!!!』
江口「ッいってぇ!!ごめんごめん冗談!!」
あの日の夜の出来事が頭にフラッシュバックされて、ボッ!!と顔から火が出るんじゃないかと思うくらい赤くなる。
『み、見られるわけないじゃないですか!!』
江口「えー残念」
『……もう1発いきます?』
江口「冗談です」
拳を握って見せるとスンッと姿勢を正す拓也さん。
もう…と熱くなった顔をパタパタ手で扇ぎながら、2人で建物の外に出て歩き出す。
あれから1週間ほど経ち、慎也くんからの電話は音沙汰無く消えた。
私も拓也さんも、表では今まで通り同業者として振る舞い、お互い仕事も順調だ。
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晴(プロフ) - 井戸さん» 同棲編はほんとに制限ギリギリまで責めようと思ってます(笑) よろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - 武田さん» お金は江口くん本人へ!!!(笑) ありがとうございます!!続編もよろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - 陽愛さん» こちらこそありがとうございますです!!!続編の方もよろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
井戸 - 同棲編キタァァーー!!!ありがとうございます!! (2020年4月21日 10時) (レス) id: 1e21205b19 (このIDを非表示/違反報告)
武田(プロフ) - ウワーーーーーッ!!!!!続編!!!!!ウワーーーーーッ!!!!!ウワーーーーーッ!!!!!もう!どこに金払えばいいんですか!!!!!有難うございます!!!!! (2020年4月21日 1時) (レス) id: 784988d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2020年3月29日 23時