*80 痛い ページ33
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慎也「思えばさ、俺が振ったのが悪かったんだよね」
『…』
慎也「でもAも悪いよ?俺と付き合ってるのに一向にヤらせてくれないから、そりゃこっちだって萎えるじゃん」
1人で一方的に喋る慎也くんに引っ張られて、人気のない通りに着く。
騒ぎにならないように外に出れたはいいけど…
チラリ、逃げないように強く掴まれている右手に目を向ける。
これじゃ振りほどいて逃げるのは難しそう……
慎也「…でも、テレビで有名になってるAを見つけてさ。俺、Aとまた恋人になりたいなって思った」
『…』
慎也「だからわざわざ仕事場探し出して、タイミング図って会いに行ったのに。まさか俺が振られるなんて思わないだろ?」
香菜さんとショッピングに行った日……あの日からつけてたってこと?
私が復縁を断ったから、こんなことしてるの?
慎也「ただでさえ高校の時も目障りだった梅原に邪魔されるし、迎えに行ったら知らない男と相合傘してるし………それに、あの背の高いメガネの男は誰?」
『っ……まさか、江口さんのことまで…!』
慎也「調べたよ、Aの周りの男は全員。その中でそいつが1番距離が近かったからね。まさか……付き合ってないよね?」
『……』
慎也「なにその顔、図星ってこと?」
『…違う!関係ない!』
慎也「……嘘つくの、相変わらず下手だね」
『ッきゃ……!』
慎也「あの時もさぁ!俺の事好き?って聞いた時も、そのヘッタクソな嘘の顔で”好きだよ”とかほざいてさぁ!!」
両腕を掴まれ、コンクリートの壁に勢いよく叩きつけられる。
ギリギリと掴まれた手首が痛くて痛くて堪らない。
慎也「だから確かめるために体触ったら……お前俺の手叩いたよな?」
『ッ…い、たいっ…』
慎也「痛いじゃねーよ。学校で評判だったお前と付き合ってヤったって報告すれば、もっと俺の評判上がる予定だったのに……俺のこと拒絶しやがってさぁ」
「だから…」と私の耳元に顔を寄せる慎也くんに体がカタカタと震える。
慎也「今からシよ」
『ッゃ、だ…!』
「はぁっ…」と耳や首元にかかる吐息にゾワゾワと寒気が立つ。
太ももや背中を這い回る手が気持ち悪くて仕方ない。
叫んで助けを呼びたいけど、怖さで唇が震えて言葉が出ない。
やだ
怖い
気持ち悪い
『……ぇぐち、さっ…』
消え去りそうな声で彼の名前を零すと、目の前に居た慎也くんがドコォッと吹っ飛んで行った。
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晴(プロフ) - 井戸さん» 同棲編はほんとに制限ギリギリまで責めようと思ってます(笑) よろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - 武田さん» お金は江口くん本人へ!!!(笑) ありがとうございます!!続編もよろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - 陽愛さん» こちらこそありがとうございますです!!!続編の方もよろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
井戸 - 同棲編キタァァーー!!!ありがとうございます!! (2020年4月21日 10時) (レス) id: 1e21205b19 (このIDを非表示/違反報告)
武田(プロフ) - ウワーーーーーッ!!!!!続編!!!!!ウワーーーーーッ!!!!!ウワーーーーーッ!!!!!もう!どこに金払えばいいんですか!!!!!有難うございます!!!!! (2020年4月21日 1時) (レス) id: 784988d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2020年3月29日 23時