*73 偶然? ページ26
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『壮馬〜!ありがとう助かったよー!』
斉藤「いいよ、それよりさ……」
『でも、せっかく誘ってくれたのに悪いことしちゃったなぁ』
斉藤「………A、もしかして気づいてない?」
『え?なにが?』
斉藤「あの人のズボンの裾、しばらく雨宿りしてた割には濡れすぎだと思わない?」
『……?』
壮馬が何が言いたいのか分からずにずっとハテナマークを浮かべていると、「はぁぁぁ……」とものすごく深いため息をつかれた。
『ちょっ…なによその呆れたようなため息は!』
斉藤「うん、大いに呆れてるよ」
『なんでよ!理由を300字以内で述べよ!』
斉藤「………あの人の傘、成人男性1人丸々覆うことができるくらい大きかった」
私のふったおふさげを完全に無視して、真面目なトーンで話し始める壮馬にまたツッコミを入れようかと思ったけど、
壮馬の顔がマジになってることに気づいて黙って話を聞くことにした。
斉藤「それに、長い間雨宿りしてたにも関わらずズボンの裾があんなに濡れるなんておかしい」
『えっと……ごめんわかんないんだけど……』
斉藤「だーかーら!偶然なんて嘘。Aが出てくるまでずっと待ってたってこと。所謂、ストーカー」
…………えっ?
す、ストーカー??
斉藤「……あの人の企業知ってる?」
『たしか………IT関係の…』
斉藤「そもそもこの辺にIT関係の企業なんてないし、それならむしろ反対方面でしょ」
『待って待って、だったらなんでそんな嘘……』
斉藤「分からないけど………A、あの人はなんか危ない気がするから気をつけなよ」
危ない気がするって………
梅ちゃんも「あの先輩には気をつけろ」ってこの前言われたけど………
でもあの慎也くんに限ってストーカーなんて………
『いや、ないない。だってエリートの慎也くんだよ?』
斉藤「……とりあえず、やっぱり家まで送るよ」
『えっ、悪いよ反対方向なのに』
斉藤「だから、俺の家に帰るの諦めた。Aの家で休んでまたこっち戻る」
『あ、なるほど!』
斉藤「ほら、時間なくなるから早く行こ」
『ちょっと待って私濡れてる!濡れてるから!』
急に歩く速度を速めた壮馬に必死についていきながら慎也くんのことを考える。
ストーカーって…………
たまたま偶然が重なってるだけだよね……?
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晴(プロフ) - 井戸さん» 同棲編はほんとに制限ギリギリまで責めようと思ってます(笑) よろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - 武田さん» お金は江口くん本人へ!!!(笑) ありがとうございます!!続編もよろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - 陽愛さん» こちらこそありがとうございますです!!!続編の方もよろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
井戸 - 同棲編キタァァーー!!!ありがとうございます!! (2020年4月21日 10時) (レス) id: 1e21205b19 (このIDを非表示/違反報告)
武田(プロフ) - ウワーーーーーッ!!!!!続編!!!!!ウワーーーーーッ!!!!!ウワーーーーーッ!!!!!もう!どこに金払えばいいんですか!!!!!有難うございます!!!!! (2020年4月21日 1時) (レス) id: 784988d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2020年3月29日 23時