*63 甘える ページ16
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江口拓也仕事終わったから迎え行く
Aじゃあなっちゃんちの近くの駅まで行きますね
江口拓也 いいよ、花江くんちで待ってな
A奥さんに悪いので駅で待ちます
江口拓也わかった
江口さんとのLINEのやり取りを経て、人気のないなっちゃんちの最寄りの駅で待つ。
なっちゃんちより今日の江口さんの仕事現場からの方が家は近いのに、わざわざ私を迎えに来てくれる。
すごくありがたいって思う反面、申し訳ない気持ちが勝ってしまって…
私が人に本気で甘えられないのは、こういう性格が問題なんだろうなぁ。
なんて考えていると、こっちに駆け足で近づいてくる足音が。
江口「A!」
『江口さん、お疲れさまです』
ペコッと頭を下げると、何も言わずにジーッと見つめられる。
どうしていいか分からずに首を傾げると、ぎゅうっと抱きしめられた。
『わっ……え、江口さん、ここ外っ…』
江口「うん、分かってる。でもちょっと充電」
「はぁっ…」と息を切らす江口さんを見て、もしかしてタクシーから下りてここまで走って来てくれたのかな、なんて思って………
きゅうっと胸が締め付けられる。
江口「…よしっ、帰ろう。送ってくよ」
『あ、はい……』
江口「聞いてよ、午後の収録でさー……」
前を歩きながら話し出す江口さんの後を付いて行きながら、良平さんの言葉を思いだす。
甘える……………甘える………
江口「…で、壮馬がいい演技するから…っわ」
『……』
江口「……あの、A?どしたの?」
話してる江口さんの背中にぎゅっと抱きつくと、江口さんの困惑したような声が聞こえてくる。
恥ずかしい。
恥ずかしい、けど…………
『………………帰りたくないです』
江口「えっ……?」
『拓也さんと、もっと一緒に居たいです……』
言った、言いましたよ良平さん……!
ドクン、ドクン……と聞こえてくる自分の心音と、顔に集まってくる熱で頭がおかしくなりそう。
ぎゅう…と江口さんの服を掴んでる両手に力を込めると、江口さんは何も言わずに私の手をゆっくり解いた。
『……えっ…』
江口「今日はダメ、明日早いから。また今度呑みに行こ?」
『あ、いや、別に呑みたいわけじゃ…』
江口「よーし帰るぞー」
そう言って私の手を握ったまま、帰り道を歩き出す。
………………今、流された?
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晴(プロフ) - 井戸さん» 同棲編はほんとに制限ギリギリまで責めようと思ってます(笑) よろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - 武田さん» お金は江口くん本人へ!!!(笑) ありがとうございます!!続編もよろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - 陽愛さん» こちらこそありがとうございますです!!!続編の方もよろしくお願いします!! (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
井戸 - 同棲編キタァァーー!!!ありがとうございます!! (2020年4月21日 10時) (レス) id: 1e21205b19 (このIDを非表示/違反報告)
武田(プロフ) - ウワーーーーーッ!!!!!続編!!!!!ウワーーーーーッ!!!!!ウワーーーーーッ!!!!!もう!どこに金払えばいいんですか!!!!!有難うございます!!!!! (2020年4月21日 1時) (レス) id: 784988d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2020年3月29日 23時