やめてください江口さん。 2

＊年下のあの子 番外編 ページ45

*江口side

・

安元「おー江口、今日はよろしく」

岡本「江口くん今日もボケ期待してるよー」

江口「よろしくお願いします…って、ハードル上げるのやめてくださいよ」

中村「安元さんの司会にご期待」

安元「この癖の強ぇメンバーをどうまとめろと」

木村「アフレコとかアドリブ祭り確定っすね」



とあるアニメのイベント当日。


信彦さん演じる主人公を先頭に、夏にスタートしたこの新アニメは見事に波に乗った。

今回は主要キャストだけの出演だけど、全体的に結構豪華なキャスト構成だと思う。



木村「…にしても、俺の1番の心配はあいつなんだよなー」

江口「あいつ？」

木村「アニメイベントは今回が初だから……ってほら、噂をすれば」



良平さんが俺の後ろ側に目を向け、ちょいちょいと手招きをする。


その視線の先を振り返って確認すると、イベント用の衣装に着飾った女の子がこちらに駆け寄ってきた。



『りりり良平さん！震えが止まりません！！』

木村「だろうと思ったわ」

江口「おはよ、島田さん」

『おはようございます江口さん！』

木村「緊張しすぎだって、ほら深呼吸」

『ヒッ、ヒッ、ふぅー』

木村「妊婦かお前は」


「そうやってボケれるなら大丈夫だろ」と頭を撫でられて嬉しそうに笑う彼女。

今回のヒロイン演じる島田さんとは、このアニメが初共演で初対面だったんだけど…



江口「島田さん衣装かわいい」

『ほんとですか！』

江口「うん、馬子にも衣装って感じ」

『……江口さんちょいちょい私のことバカにしますよね』

江口「えーうそ？いつだって優しい江口先輩でしょ？」

『お金の面に関しては』

江口「他は？」

『はぅわっ！？な、中村さんのスーツ姿…ッ！』

江口「はい無視」



『眼福…っ』と拝んでる彼女を見て思わず笑ってしまう。


最初は見た目と中身のギャップに驚いたけど、彼女と居ると自然に気持ちが軽くなるし、見ていて飽きないから楽しい。



『江口さん、江口さん』

江口「なに？」

『一緒に中村さんの匂い嗅ぎに行きませんか？』

江口「………あのー、どこから突っ込んだら正解？」


まず匂いを嗅ぎに行くとは。

そしてなぜ俺を誘うんだ。



『お願いします！一緒に中村さんの後ろサッと通るだけでいいので！』

江口「やだよ普通に話しかければいいじゃん」

『それじゃレア感がないじゃないですか！』

江口「……島田さんてほんと顔だけだよね」

『よく言われます』


*

＊年下のあの子 02→←＊91 一緒に

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す