全力前進Bダッシュ！！【梅原裕一郎】

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「はぁ…」





よりによって、梅原さんと一緒のアフレコ…







泣いて泣いて、目も腫れて超ブサイクだし





嫌われていると分かると話しかけずらいし…







壮馬さんは昨日私の話を聞いてくれて、





私を宥めるために、何かの勘違いだよって必死にフォローしてくれて





ほんとにいい先輩だなってその優しさにまた涙が出てくる







梅「おはようございます」








「…！」






大好きな声に反応してしまうも、話しかけることは出来ない









梅「おはよ」






「お、はよう、ございます…」







梅「…？」







あぁ声も小さいし、目も合わせない…




もっと印象悪いよ…









斉「あちゃ…」









やばい、色々考えちゃう、頭切り替えなきゃ









〜








斉「Aちゃん、ちょっと」






「う、はい…」






アフレコは無事終わりさっさとこの場から立ち去ろうと考えていたけど、







壮馬さんに呼び止められた







斉「何かの間違いって言ったでしょ、いつも通り元気に話しなよ」





「うぅ、いやでも…」






斉「はァ…、考えすぎ！元気出して！」








両頬を壮馬さんの手で挟まれる






斉「ね？」







「わ、かりました…あ、でも」








カバンから本を取り出す。





壮馬さんと出かけた日に買った、




本来なら梅原さんに渡すものだった本。








「これ、壮馬さんにあげます。私が持っててもなんか悲しくなっちゃうんで」






斉「言ったそばから…、自分で渡すんじゃなかったの」







「もう渡す気がないので」








壮馬さんは少し悲しそうな顔をしたけどなにも言ってこなかった。







私は挨拶をしてその場を去った。





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