十/*3人の朝。 ページ17
朝に早く起きるのは、いつもの習慣だった。
夜にどれだけ遅く寝ても、朝というものは颯爽と俺を起こしにくる。
いつも通りの朝。
いつも通り、自分の部屋。自分のベッドにいる。
少し狭いな、なんて思って隣を見ると、そこにはまだぐっすりと眠っているレトさんがいた。
枕をぎゅっと抱きしめて寝てる。
…あ、そういえば昨日風呂とか入ってねえな。
だから寝間着に着替えてもない。
それはもちろんレトさんも同じく。
――…あれ?レトさんがここで寝てるってことは…
まだ寝ぼけている頭で、昨日…というよりは、今日の数時間前のことを思い出す。
Aをここに連れてきて、
レトさんの部屋で寝るってなって、
レトさんが俺の部屋で寝て、
「…キヨ?いるの?」
扉の向こうから、フジの声が聞こえた。
いる、とぶっきらぼうに返し、起こさないようにと、そっとレトさんが見えないように、毛布を頭までかぶせる。
扉が開いたかと思うと、静かにフジが入ってきた。
――あ、いいこと考えた。
「キヨおかえりー」
「ただいまフジー。
あ、多分今レトさん部屋で寝てるから、起こしてきなよ。」
分かった!
そう元気な返事をして、やけに従順なフジは比較的近くにあるレトさんの部屋へと向かう。
やっぱ俺、こういうこと考えるのに関しては、天才だな。
***
朝起きてみると、隣の部屋から物音がした。
隣はキヨの部屋。
もしかしたら。
そんな気持ちで、キヨの部屋の前で立ち止まる。
「…キヨ?いるの?」
おどおどしながら言うと、いる、とぶっきらぼうな返事が返ってきた。
「キヨおかえりー」と言いながら静かに扉を開ける。
「ただいまフジー。
あ、多分今レトさん部屋で寝てるから、起こしてきなよ。」
今会ったのにもう別れさせる気か
そんなことを思っても、キヨの言うことには何かと逆らえない節がある。
分かった!と自分でも従順と感じるほどの返事をする。
そして、ここからわりかし近くにあるレトさんの部屋を目指し、勢い良くキヨの部屋を飛び出す。
****
カーテンが開かれている窓から、眩しい日の光が差し込む。
その眩しさに耐えられず、めんどくさいけど、片目を渋々と開く。
「6時……」
目に入るのは時計。
昼までここでごろごろしていたいが、昨日昼まで寝ていたこともあって、なぜだかそういう気分にはなれず、
寝起きでふらふらの体を2本の足で支えながら、重たい足取りで扉を開けた。
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九黒りる - 好きな実況者さんばかりでニヤニヤしながら読ませていただきました!!つわはすさんもレトさんも可愛くて、、これからも応援してます(*´ω`*)♪ (2014年10月1日 7時) (レス) id: f6bb59d71b (このIDを非表示/違反報告)
荏胡麻(プロフ) - 古今東西さん» うおおぉ!コメントありがとうございます!!いろいろなところでレトさんに萌える日々です!! 応援あざます!! (2014年4月22日 22時) (レス) id: cdfebcb40a (このIDを非表示/違反報告)
古今東西(プロフ) - レトさん萌えぇ! レトさん大好きですが、この小説のレトさん一番萌えまs← つか、この小説自体大好きです応援してます(*´∀`) (2014年4月22日 21時) (レス) id: 672c35980b (このIDを非表示/違反報告)
荏胡麻@ソウルメイト(仮)(プロフ) - ぷよっちさん» コメントありがとうございます!面白いだなんてそんな…!嬉しすぎます…!! 駄作ながら更新頑張らせていただきます! (2014年4月14日 22時) (レス) id: cdfebcb40a (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - どうも!面白かったのでついついコメントしてしまいました゚.+:。(・ω・)b゚.+:。グッ 更新楽しみに待ってます!応援してます!! (2014年4月14日 21時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
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