彼氏になってください ページ12
作品で恋人役を演じて意識してしまうパイセン
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オーディションを受けて合格した。主人公の男の子を演じることになった。その主人公には彼女がいて、その役を担当する声優は現場で初めて知る。その様子が特典DVDになるらしい。
「え〜誰だろ。全然検討つかないな」
「江口さん知ってる人かどうかも分かんないですしね」
スタジオで監督と喋りながら到着を待った。
扉がコンコンと叩かれて、監督が「どうぞー」と言ったら扉が開いた。
『お邪魔します〜…わ、江口パイセン！』
「A！？Aなの！？」
「そうです、主人公の彼女役は西山Aさんです〜」
『わー！カメラある！皆さんこんにちは西山Aです！』
動揺する俺を置いてけぼりにして監督と話し始めたA。めちゃくちゃ知ってる人じゃん！
Aも相手役が誰か知らなかったんだろうか？
「知ってた？」
『全然知らなかったです。だからびっくりしました』
「びっくりしてるの！？それで！？」
『はい』
あまりにも冷静に見えるから知ってるのかと思った。
まさかの恋人役がAだなんて意識するに決まってる。付き合っていないとは言え、付き合いたいと内心思ってるくらい好きな人なんだから意識するなというほうが難しい。
DVDでは意気込みとか役に対する考え方などをインタビューされて、わりとすぐに終わった。
スタジオを出て一緒に台本を取りに事務所へ行った。
『や〜本当にびっくりしましたね』
「びっくりした…でもAでよかったわ。これであんま接点ない人だったら嫌だし」
『ほんとですか？なんか嬉しいなあ〜』
Aは特に『パイセンで良かったっす！』とかは言わなかった。なんか辛い。ちょっとくらい言って欲しかった。
事務所への用事も済んだし、Aを家まで送り届けた。
「じゃあお疲れ様」
『お疲れ様です。パイセン』
「ん？なに」
『1クールだけ私の彼氏になってくれてありがとうございます！これからよろしくお願いします！』
なっ…！？なんだそれ！？そんな言い方この世に存在するのか…！？可愛すぎる！
「う、うん。ありがとう。頑張ろう」
なんでこんなカスみたいなことしか言えないの俺！
笑顔で帰っていくAの後ろ姿が見えなくなるまで手を振ったけど、内心は号泣していた。
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にこ(プロフ) - 貴方が書く江口さんが一番好きです！！何回も繰り返し読んでます。これからも応援してます！！ (2020年6月30日 23時) (
レス) id: 0e561a1b81 (このIDを非表示/違反報告)
west - 続編ありがとうございます！江口さん可愛い、、 (2020年6月4日 20時) (レス) id: df52d3e3aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：p@n@
| 作成日時：2020年6月4日 1時
