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扉を開ける音がする。
夕飯も済ませてくると連絡があったので
初めて一人でテーブルを独占した。
やはり一人には大きすぎたようだ。
リビングに入ってきた廉は
ソファーに座ってTVを見る私に「 ただいま 」と呟く。
「 おかえり。どうだった？ 」
「 だいぶ大人っぽくなっとった 」
染めたばかりの髪を揺らして着ていた上着を脱ぐ。
「 中学の頃思い出して話止まらんかったわ 」
「 良かったじゃん 」
「 なかなか会えへんけど
今はいつでも連絡し合える時代やし最高やわ 」
スマホを持ちながらキッチンに向かうくらい
舞い上がっている廉はよっぽど嬉しいらしい。
「 Aは一人で何してたん？ 」
「 海行ってきた 」
「 海？寒かったやろ。でもなんで急に 」
「 何となく行きたくなっちゃって。
廉と一緒に電車乗ったの覚えてたからスムーズだった 」
「 よかったやん(笑) 」
「 それでこの前座ったところで海見てたらね、
海人に声かけられたの 」
コップを持った手が止まる。
「 海人？ 」
「 うん。休日はよく来てるんだって。
それでね、私達やり直すことにした 」
数秒時が止まったように動かなくなった廉は
小さく頷いてから「 そっか、おめでと 」と呟いて
コップに入れた水を一気に飲み干した。
「 廉もうまくいくといいね 」
「 …ありがと、頑張ってみる 」
そう返事して浴室に向かって歩いて行った。
テンションが全然違うように見えたのは気のせいか？
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作者名：いと | 作成日時：2020年10月27日 17時
