10 邪魔になるだけ ページ11
木から木へと飛び移りながら、皆は移動する。
意外にも、治天双子は運動神経は良いようで普通についてきていた。
「くそっ・・・まずは五人揃わなきゃ向日葵桜じゃねーのに!」
木の上で悔しそうにだいちが言う。
すいやほむら、ふうかも悲しそうな顔をする。
先生は、木の上から色人のがいないか探している。
「あの・・・」
治天双子のヒコボシが話しかける。
「・・・なんですか」
悲しそうな、だけど透き通った声でふうかは答える。
「色人さんってどんな人なんですか?僕ら・・・見た目とかも分かんないでついてきてしまったんで・・・」
少しふうかの瞳が揺れ動く。
だが、ふうかはいつもの口調で話す。
透き通って・・・だが悲しげな声で。
「・・・金髪の髪に透き通るような碧眼の男の子・・・向日葵みたいな笑顔が特徴だった・・・」
「・・・そうですか」
「おい」
「ぎゃっ」
ビックリしたすいが木から落ちそうになるところをだいちが助ける。
「ちゃんとしろよな」
「う、うるさいっ」
そのうるさいは照れ隠しの様にも聞こえたが、今はそれどころではなかった。
「先生・・・どうでしたか?」
ほむらが淡々とした口調で話す。
「・・・四つの族にはいなかった。こっからは俺だけで探すからお前らは帰ってろ」
「嫌だ!」
だいちが声を荒げる。
「・・・私も・・・探したい!」
初めてふうかは大きな声をだした。
「アタシだって・・・!」
すいも感情を丸出しの声で言う。
「僕も・・・仲間が一人欠けたら嫌だよッ」
泣きそうな声でほむらもいう。
銀也は・・・
「お前らはまだ一人前の能力者じゃない。邪魔になるだけだ」
・・・突き放した。
銀也は知っていた。
彼らがどんなに色人の事を大切で大好きか。
だが・・・だからこそ突き放したのだ。
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作者名:シュヴィ | 作者ホームページ:
作成日時:2015年5月16日 10時