20 ページ40
体を拭くといよいよサウナらしい
『あつい…』
「無理はすんなよ〜とりあえず5分くらい目安で」
『…はい』
なんて強引な人
あの状況なら何かあった?って聞くもんでしょ普通
なんでサウナなのよ
慰めるにしてもやり方があるでしょ
北山さんから少し離れて
サウナのじんわりとした暑さに耐える
「んよし、次行こーぜ」
『へ?』
もう5分経ったらしく水風呂へと案内される
ウェアを脱いで
「くぁ〜〜」と声を漏らしながら水風呂に浸かる北山さんとは対象に
冷たい水風呂へ入るのを躊躇する私
「まあ、入らなくても大丈夫だから」
と言ってくれたのでそのまま外気浴へ
チェアに座ってぼーっとしていると何となく気持ちがいい
「よし、これをあと2セットな」
『へ?』
「よし、行くぞ!」
『ちょ、待って』
「ん?」
『…なんでもないです』
そんな優しい顔で見つめられるとなんにもいえなくなるからやめて欲しい
2回目は私も水風呂に挑戦
やっぱり冷たくてひぃ〜〜〜となる
2セット目でも北山さんは「かーー!」っと声を出して気持ちよさそう
て言うか反応が…
『おっさんみたい…』
「んだと!?まだまだピチピチだろ」
『その発言が余計におっさん臭い』
3セット目を終えて外気浴をしている頃には
『サウナ最っ高〜…』
すっかりサウナのトリコ
「なはは、良いだろ?
全部リセットされる気がして好きなんだ
メンタル的な話になっちゃうけど嫌なこととかあっても
サウナに入ったらとりあえず一旦リセット
これ俺のルーティンだから」
「今回広めのにしたけど、1人分の狭いところもあるからオススメだよ〜。表参道とかにも個室サウナあるしね」
そう言いながら天井を見つめる北山さんの
心の底は見えないけれど
私を励ましてくれてるのかもなって
ちょっとだけ元気が出た
「はい、これあげる」
『なにこれ』
「カバンに入ってた豆乳」
『は!?いつの!?』
「うそうそ、さっき買ったんだけど橘ちゃんにプレゼントするわ」
『いらないです…』
「遠慮しない遠慮しない」
そう言って握らされた豆乳
別に豆乳好きじゃないんだけど…
130人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆき | 作成日時:2023年6月18日 18時