検索窓
今日:40 hit、昨日:13 hit、合計:17,157 hit

55.御影玲王の話 ページ8

❁︎玲王side


「今日は本当にありがとう。いろいろ、迷惑かけちゃってごめんね」

そう言って微笑むAさんと別れた後。
俺と凪は二人で並んで帰路へと着いていた。

「…なぁ、凪」

「…」

いつも通り無言の凪。そんな凪に構うことなく話を続ける。

「お前ってAさんのこと好きなの?」

ピタ

俺がそう聞いた瞬間、凪の足が止まった。
もしや、動揺している…?なんて思ったが、凪はいつも通りの無表情だった。
だけど、俺の言葉に凪が反応したのには間違いなくて。

「………………まじ、か」

あの凪が。
人と関わるのを何より面倒くさがっていた凪が。
人を、Aさんを愛している――。

「…うん。好きだよ。……もしかして、玲王も?」

俺の質問にコクリと頷いた凪。
凪は目を鋭くさせて俺の方を向いた。
凪から禍々しいオーラが出ている気がして、一歩 後ろに後ずさる。

「いや…、俺は違ぇよ」

首を横に振って、Aさんへの興味を否定する。
凪はそれを確認すると、また前を向いて歩き出した。



『なら、玲王くんって呼ばせてもらおうかな』

『…――私…っ…少し、だけ…サッカーを、好きになれたかも…、しれない』



「…」

もし…、もう少しだけ早くに出会っていたら――。


『…せい、しろー…くん……っ』


その綺麗な声で俺の名前を呼んでくれただろうか。

「…玲王?行かないの?」

「…あぁ。今行く」

不思議そうに首を傾げる凪に駆け寄って、その大きな背中を叩く。

「いっ…!」

「凪っ!お前、絶対Aさんと付き合えよ!」

凪の背中を押すように声をかける。
凪は大きな瞳を見開いて首を縦に振った。

「…うん。絶対結婚するよ」

「お前、結婚は気が早ぇよ!」

「えー…」

俺の大好きな宝物とそんな宝物が愛した女性だ。
絶対、ふたりには幸せになってもらいたい。

56.愛を求める話→←54.好きなタイプを知られる話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
352人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - めんちさん» めんちさん、コメントありがとうございます!私もまだまだですので、一緒に頑張りましょ!💪 (6月26日 20時) (レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
めんち - めっちゃ面白いです!私も夢小説かいてるんですけど国語力なさすぎるので湊様みたいに楽しいお話つくりたいです (6月26日 14時) (レス) id: 05dd0f2a4d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年6月26日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。