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38.独占欲の話・中編 ページ40

「…それ、私のスマホ…だよね?」

信じたくない。信じたくなかった。
…いや、もしかしたら間違えて私のスマホを手に取ってしまっただけかもしれない。
でも…なら、私の目に見えるメッセージアプリの画面は何?
それ以前になんで私のスマホのパスワードがわかったの?

聞きたいことがたくさんあって。
信じたくないことがたくさんあった。

私のスマホを握りしめている弟は下を向いていて一言も発さない。
私は彼の両肩に手をおいて彼を揺らす。

「ねぇ、凛。私信じてるよ。だから、大丈夫…あ…いや、間違えただけだよね。凛、意外とドジなところあるし…ねぇ…凛……」

自分でも何を言っているか分からなくなってきて。
力が入らなくなって、床にドスッと腰をおとした。

「……凛…なにか、言って――」

「A。大丈夫だ。俺がお前を守るから」

「は――」

か細くも、力強い凛の声が聞こえてきて。

「まずは映画…姉ちゃんの好きなファンタジーアニメの映画だよな。あんなの俺が一緒に行ってやる。何回でもいい。姉ちゃんが満足するまで。俺がAと一緒に行ってやるよ。だから、コイツはいらない」

「つぎは料理…だったか?ハッ。寂しいやつだよな。食べたい時に姉ちゃんの料理が食べられねぇんだ。俺なら弟だからいつでも姉ちゃんの料理が食べれる。そういえば、この間オムライス改良したって言ってたよな?あれ早く食べてみてぇ。Aのオムライス好きだから。Aのオムライスも食べたことねぇコイツはいらないよな?」

「出かける…?なんだよそれ。この間、俺と出かけただけじゃ満足いかなかったか?それなら今週行こう。姉ちゃんが好きなカフェでもいい。服屋でも。どこでもついて行ってやるよ。俺がいるならコイツはいらない」

「なぁ、姉ちゃん。コイツのどこに惹かれたんだ?…あぁ。違うか。姉ちゃんはコイツに騙されてんだよな?だから無理やりコイツと連絡をとって…。それなら、俺が今ここで絶ってやるよ。……ん。これで消せた。A。もう大丈夫だ」

こんなはずじゃなかった。
こんなこと言って欲しくて彼の肩を揺らしたんじゃない。
私は否定して欲しかった。
適当にパスワード入力したら開いた、とか。
姉ちゃんのスマホ間違えて使った、とか。
もうなんでもいいから…。否定して欲しかった。
私の信じる凛のままでいてほしかった。それだけなのに。

あぁ、神様。私はどこで何を間違えたのでしょうか。

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(プロフ) - もちうささん» もちうささん、コメントありがとうございます!これからもふたつのルートにご注目ください! (6月8日 19時) (レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
もちうさ - 凛ルートと凪ルートがありますね!凛君推しなので結婚とか出来なくても事実婚なら出来ますね! (6月8日 13時) (レス) @page34 id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アルです!\(●°ω°●)/さん» アルです!\(●°ω°●)/さん、コメントありがとうございます!凪は私的にも好きなキャラクターなのでどんどん活躍させていきたいと思っています! (5月28日 1時) (レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
アルです!\(●°ω°●)/(プロフ) - そういえば糸師兄弟と凪は神奈川県出身だったなぁ…凪登場ありがとうございます! (5月28日 0時) (レス) @page17 id: f6a6e363df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年5月19日 12時

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