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20.年越しをする話 ページ22

ゴーンとテレビの中の鐘が鳴る。
私は鐘が鳴り止むのを待ってから、くるりと後ろを振り向いてぺこりと頭を下げる。

「あけましておめでとう、凛。今年もよろしく」

「…あけましておめでとう」

遅れて凛からも新年の挨拶が発せられた。
私はもう一度、テレビに向き直ってリモコンを手にとる。
ポチポチとテレビ番組を探してもどれも新年をお祝いする特番ばかりだった。

「…」

チラッと凛の方を見る。凛は、机にかじりついて受験勉強をしているようで。

「…邪魔しちゃうな」

ここで特番なんか見ていたら凛の邪魔になることは確実だ。私は、立ち上がって扉の方へと向かった。
ガチャリ
扉のドアノブに手をかけて部屋を後にしようとする。

「…ここにいろ」

「凛?」

ボソリと凛が何か言った気がして、後ろを振り返る。
凛は私の方を見ずに机と向かい合っている。
…?気のせい?
凛の声は気のせいだと信じてドアノブに手をかけた。
ふと、ポケットの中で振動し続けているスマホの存在に気づく。どうせ新年の挨拶だろう。あとで返しておけばいい。

「…じゃあ、おやすみ」

長居するのも凛の勉強の邪魔になるから、足早に凛の部屋を出た。

❁︎

凛side

「……クソが」

静かな部屋に自分の悔しそうな声が響く。
俺はシャーペンをポイッと投げて、机へと突っ伏する。

「…A」

数ヶ月前からずっと頭の中を支配している姉の名前を口にする。
あの雪の日、クソ兄貴に捨てられた俺は姉に助けを乞うた。姉ちゃんは、俺を見捨てないでくれたんだ。今の俺にはサッカーと姉ちゃんしかない。

「…」

この間、姉ちゃんと他の男が一緒にいるところを見て殺 意が沸いた。殺 してやりたいと思った。
姉ちゃんが俺以外の人間と話すなどありえないのだ。

「…姉ちゃん…姉ちゃん…姉ちゃん…」

何度も呟く。呟いているうちに、男への殺 意が潮が引くようにゆっくりと消えていく。姉ちゃんはすごい。

「姉ちゃんはどこにも行かせねぇ…」

姉ちゃんの隣には俺しかありえねぇ。
俺以外を隣におくなんて、そんなの姉ちゃんじゃない。

「…」

机におかれたシャーペンをもう一度にぎりしめて、意味がわからない問題へとむかった。

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(プロフ) - もちうささん» もちうささん、コメントありがとうございます!これからもふたつのルートにご注目ください! (6月8日 19時) (レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
もちうさ - 凛ルートと凪ルートがありますね!凛君推しなので結婚とか出来なくても事実婚なら出来ますね! (6月8日 13時) (レス) @page34 id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アルです!\(●°ω°●)/さん» アルです!\(●°ω°●)/さん、コメントありがとうございます!凪は私的にも好きなキャラクターなのでどんどん活躍させていきたいと思っています! (5月28日 1時) (レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
アルです!\(●°ω°●)/(プロフ) - そういえば糸師兄弟と凪は神奈川県出身だったなぁ…凪登場ありがとうございます! (5月28日 0時) (レス) @page17 id: f6a6e363df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年5月19日 12時

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