18.クリスマスの話・後編 ページ20
❁︎
「冴、ケーキあるけど食べる？」
動画に夢中になっている冴にそう語りかける。
冴は視線を動画から離さずにコクリとうなずく。
「食う」
冴も食べるのなら凛も食べるだろう。帰ってきたら一緒に食べようかな。
「……姉ちゃんの将来」
冴が急に口をひらいたかと思えば、謎発言をカマしてきた。私は彼の発言に首をひねらせる。
「？私の将来が何？」
そう問うと、冴はフイと視線を横にして呟いた。
「…別に。クリスマスごときでルンルンしてるヤツの将来が心配なだけだ」
ホントにこの弟は…。
弟に心配されるほど私もしっかりしていないわけではない。今もこうして両親がいない間、冴の面倒をみているわけだし。
ガチャ
玄関の扉がひらいた音がしてそちらに視線を移す。扉の隙間から頬を赤くした凛が入ってきた。
「凛、おかえり。ほっぺ赤くなってるよ」
「え、マジ？」
凛は自分の頬を触って「冷てぇ…」と口にした。
私は凛の様子に微笑んでから、彼にケーキがあることを伝えた。もちろん喜んでくれた凛にまた微笑んでケーキの用意をする。
12月24日。少し、寂しいクリスマスパーティーだったけど私にとっては十分楽しかったと記憶に残っている。
❁︎
テレビの電源を消して立ち上がる。
「…ケーキ食べたくなってきた」
コンビニでも行って、ケーキを買ってこようかな。
「…それから」
スマホに電源をいれてメッセージアプリを起動する。
連絡欄から彼の名前を探して、メッセージを送る。
《メリークリスマス》
❁︎
冴side
「…A？」
スマホを起動すると、ホーム画面に表示されたのは数時間前にきていた姉からのメッセージ。
「…《メリークリスマス》…」
Aのメッセージを見てから、今日がクリスマスイブだということを理解した。相変わらず呑気なヤツだ。
「…」
そういえば、と俺かスペインに来る前のクリスマスのことを思い出す。あの日はAと凛…まぁ3人でケーキを食ったわけだが…たしかあの時、Aにプレゼントをあげると言われた俺はなんと答えたんだったか。
「……アイツの将来、だったか」
今となってはおかしい発言だと思うが、あの時の俺にはあれが精一杯のアピールだった。…叶わない恋のくせに何をそんなに頑張っていたんだか。
「…」
スマホに表示されているのは�爛瓮奪察璽犬�送信されました�瓩諒源�。
「…フン、クリスマスとかくだらねぇ」
俺のそんな呟きは空へと消えていった。
《プレゼントよこせ》
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湊(プロフ) - もちうささん» もちうささん、コメントありがとうございます！これからもふたつのルートにご注目ください！ (6月8日 19時) (
レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
もちうさ - 凛ルートと凪ルートがありますね！凛君推しなので結婚とか出来なくても事実婚なら出来ますね！ (6月8日 13時) (レス) @page34 id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - アルです！\(●°ω°●)/さん» アルです！\(●°ω°●)/さん、コメントありがとうございます！凪は私的にも好きなキャラクターなのでどんどん活躍させていきたいと思っています！ (5月28日 1時) (レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
アルです！\(●°ω°●)/(プロフ) - そういえば糸師兄弟と凪は神奈川県出身だったなぁ…凪登場ありがとうございます！ (5月28日 0時) (レス) @page17 id: f6a6e363df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊 | 作成日時：2023年5月19日 12時
