可愛くない君。2【朔間凛月】

Honest 52 ページ6

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友「そうだね！(にやり)じゃあ私たちは先に歩いてるからごゆっくり〜♪」

真緒「うわっ、ちょ、友！急に引っ張るなって！！」

ちょっ?!いきなり二人きりにしないでよね?!そんなことしたら.....


ぼすっ


凛月「ん〜、やっぱりAはいい匂いだねぇ...♪」


....言わんこっちゃない。最近、というか付き合い始めてから一段と甘えん坊になったような....

『ああもうっ！隙あらば抱きついてくるのやめてよね！真緒で十分でしょう?!』

凛月「だってま〜くんは男だし筋肉あるから硬いんだもん。そのぶんAはいい匂いで柔らかi」

『警察呼ぶわよ？』


え〜、と私の肩にずしっ、と顎を乗せてくる。...歩きにくいんですけど？


『ほら、ちゃんと歩く！あんた私より年上なんでしょ?!』

凛月「俺はおじいちゃんなの〜。もっと労わってよねぇ....あ、そうだA、これ見てよ。」


ぴら、と渡された紙。


『夏、祭り....？』

凛月「そ。まあ、昔から俺らの近所でやってるし知ってるでしょ？だからさぁ、今年は一緒に行こ？」


ぐっ....そんなコテンって首傾げないでよ不覚にも可愛いって思っちゃったじゃない！！

『.....ま、まあ凛月がどうしてもって言うなら行ってあげてもいいけど？』


凛月「え〜、そこは可愛く『私も行きたい♪』とか言うところでしょ。それとも何？....2人で行きたいのは俺だけなの？」


.....そんなのズルい。全部わかってて聞いてるでしょ、私の答えなんか一択だって。


『.....わ、私も.....行きた、いです....』

凛月「っ！ふっ....よく出来ました♪」


....また負けた。目の前で満足そうに笑う吸血鬼(こいつ)。うう...恥ずかしい。心がむず痒い。


普段と何ら変わらないやり取りをしている今だって有り得ないくらい心臓がバクバクしている。


自分でもなんでこいつなのか分からない。でもそれが恋なんでしょう？

今まで幾度となく恨んできたけど、こういう巡り合わせを引き起こしてくれる所だけは嫌いじゃないわ。ねぇ？神様。


凛月「A、もちろん浴衣着てくるでしょ？浴衣ってさぁ....脱がせやすいんだって♪」


『はっ、はあああああ?!っバカ！！何言ってるのよ！』

凛月「ふふっ、冗談。なぁに、顔真っ赤だけど想像しちゃったの？やっぱり変態だなぁ♪」

『誰のせいだとっ！！....こんの小悪魔吸血鬼めえええええ！！』




前言撤回。なんで私こいつのこと好きなんだろう…

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