可愛くない君。2【朔間凛月】

Honest 81 ページ40

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『あ、この帽子可愛い……』

棚に置かれているくまの耳が着いた帽子。


凛月に似合いそう…………って別に一緒に被りたいとかじゃないからね?!ほ、ほら泉先輩に「くまくん」とか言われてるし?!


凛月「なぁに、それ欲しいの？」

『ひゃいっ?!りっ、凛月?!』


朝も急に出てこないでって言ったじゃないの！！


『ってかあんたどこにいて……』

凛月「じゃ〜ん、『くまくん』からのプレゼント〜」


そう言ってどこからともなくクマ耳カチューシャを取り出して私の頭につける。…これを買いに行ってたからいなかったってこと?!

『ちょ………は、恥ずかしいからやめなさいって！！』

凛月「え〜、いいじゃん思い出作り♪」


それあんたが楽しんでるだけよね…？この1年で学んだわよその笑みはからかってるときの、って！まったく……まあ別につけてあげないことも無いけどさぁ…


『じゃああんたも何か付けなさいよ』

凛月「俺？俺は別にいいよ。」

俺は『くまくん』だから〜、と謎の言い訳をする。1人だけ逃れようったってそうはいかないわよ?!

『…ちょっとまってて！』


さっきの帽子をつかんでレジに向かう。私だけ付けてるのもなんか恥ずかしいし、プレゼントしてくれたんならお返しが基本でしょ？


会計を済ませ、さっきの場所に戻ると凛月に帽子を被せる。

凛月「わっ……?!ちょっと急に何？」

『お返し。……一緒に思い出作ってくれるんでしょ？』


さっきあんたが言ったんじゃない。…べ、別に私はどっちでもよかったけど凛月がそうやって言うから！！

凛月「！…ふふ、ん。ありがと。」

少し驚いた顔を見せた後に柔らかく微笑んで私の頭を撫でる。……別にあんたの為じゃなくて私がやりたかっただけだし。



凛月「ねぇA、なんでこの帽子にしたの？」

『へ？あ、ああ……たまたまそこにあったからよ。』

凛月「ふぅん？それにしてはさっきじっと見てたよねぇ…？」


うっ………何でそういう所だけ見てるわけ?!にやにやするのやめなさいよ！！


『べ、別に?!その時見てただけ！！』

凛月「ふっ……w必死すぎ」

もおおおおいつになったらからかうのやめるわけ?!笑いすぎよバカ凛月！！！


凛月「ほら行こ？…あ、それと。今日の服、可愛いんじゃない？」

『っ！！……あ、りがと………』


………悔しいけどこいつには一生勝てない気がした。




？「ふふっ………」

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