狐様の悪鬼滅殺［鬼滅の刃］壱

炭治郎side ページ44

『目は、もう少ししたら見えるようになる、

　だから、安心して、』



今にも倒れそうな狐様…

隠「狐様！どうか治療を受けて下さい！

　 お願いします！」

隠「これ以上あなた様の痛々しい姿を

　 見てられません！」

隠の人達は泣きながら言う、




『…ありがとう、でもごめんね、

　自分でできるから、』

隠「そんな、」




…どうしてそこまで、

人の手を借りることをしないのか_____



そんなことを考えていると、

俺の方へ振り返った、


炭治郎「？」

『手を…』



手？…まさか、

炭治郎「俺の傷も治すつもりですか⁉」

『そう、だから早くしてほしい、』




着物が鮮やかな赤で

じわじわと染められていく_____

足下には赤いものが

止まることなく滴り落ちる_____





炭治郎「っ、狐様！

　 自分の体を、大切にしてくださいっ、」




『…私には、そんな資格は、ない…

　どうか、分かってほしい、』


“悲しい”、匂い？

『私は、どんな人間であっても

　助けなければならない、


　…生きている限り、』

炭治郎「？」

今の間は、なんだ？

まるで_____


『…自分は後回しにしなければならない、

　私の傷がどうであろうと、だ、、

　
　今の状況が、まさにそう、
　



　…あんたは生きてる、

　私にとって、助けなきゃならない存在、』

炭治郎「でもっ、」

自分の治療からしないと、


『私は死なない、そもそも死ねないんだ、

　あいつを倒すまで、

　自由になることも許されない、


　…仕方がないことなんだよ、

　これまでも、ずっと、そうだった、




　だから…』


差し出されたその手は

小刻みに、震えていた_____




炭治郎「っ、」


それが今までの全てを

物語っていた______

黒く、深い、闇→←傷

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