『組合戦もそろそろ半ば？』｢恋の進展もー！｣｢あるかもあるかもー！｣ ｢ていうかそもそも相手が居ない！！｣← 6

マフィア71 ページ9

まなほside


何処からともなく現れた高身長の男太宰。
単身でQの監 禁施設に向かったようだった。

監 禁施設とは云ったものの、見た目はただの山小屋に過ぎないけれど。


突然辺りが明るくなった。
チカチカしている視界の中で、先程までなかった筈の影が何体も増えているのが見える。

ようやく治まってきた中で、これまた怪しい二人組が姿を現した。

探偵社の動きを予測して待ち構えていたのだろう。ハンチング帽を被る農家風の青年、スタインベックと黒のウェービー過ぎるロングヘアに落ち窪んだ目をしている男、ラヴクラフトが立っていた。

まんまと罠にはめられた太宰。


…だが此処で終わるわけないだろ！
さあたにたにの夫、中原中也幹部のお出ましだあ!!


「うるせぇよまなほ」

「あれ声出てた？」

「少し」

謝ろうと思ったけど、少ししか出てないなら謝らなくてもいいか。私は気にせず視線を前に戻した。

動きが素早い黒い影。それに銃口を向ける男達。何発もその男に向けて引き金を引く。弾は確かに当たっている筈なのに、その弾は役目を果たさず地面に次々と落ちてゆく。

太宰はその光景を見て額に手を当てながら大きな溜息をついていた。

そのリアクション今私の隣に居る人と交換できませんかね？瞬きできてるのかと思うくらい目がずっとキラキラしてるんすよ。
「それはできかねます」って？はいはい知ってます知ってます。←

よし話を戻そう。


何故中原幹部がここにいるのかって？
　
首領は会議では福沢にああは言ったが、完全な同盟を結ぶ論理解は存在する。
相手の為に損を支払いそれが百倍の利となって返ってきて初めて過去の遺恨を越えた同盟が可能となる、と考え中也を太宰の元に送ったのだ。

　
「最初に云っとくがなァ…
この塵片したら次は手前だからな？」


かつて太宰と中也は敵異能組織を一夜で滅ぼし「双黒」と呼ばれた最悪の二人組。
それが今夜…一夜限りの復活する。


「あーあ 矢っ張りこうなった。だから朝から遣る気出なかったのだよねぇ……」


スタインベックも中也の奇襲は予想できておらずうろたえていた。

咄嗟に異能を使おうとするも、太宰に触れられ異能を無効化されてしまう。
その直後中也が飛び蹴りで遠くまで吹っ飛ばされていた。

やめてくれよ、自然に優しくしようぜ？


「あぁ最悪だ最悪だ」

「私だって厭だよ」


そんな軽い口論をかわした後、
彼らはQのいる施設に乗り込んでいった。



対組合共同戦線――反撃の狼煙だ。

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