339話 総理との相違 ページ8
父様は私を睨む。当然だ。父様は私に軽く提示して来たが、後継の価値は分かっているのだろう。
「勿論です。内閣と財閥は本来独立すべき物。なのに、総理と親しい私がなっては、馴れ合いの癒着状態になります。そうなれば、総理の思うがまま、シナリオ通りに動く事になる」
父様「独裁政治の始まりだな」
「実際、統治者と特定の人間との癒着は国を害します。それは、東方天家の一件が証明している。それでも、私は総理に力を貸すと思う」
総理の理想を叶えようとする。今も総理を信じているから。
だけど、もし総理が間違っているとしたら、私は気付けるだろうか。ダーティードッグの解散のように、後からでは間に合わない事もある。
何より総理は、私を信頼という言葉で何も教えてくれない。
「そして、もう一つ理由があります。もし総理の独裁政治を牽制する事になった場合。女性が上に立つ財閥には男性は手を貸さないと思います。そして、別の財閥が男性と手を取り、内閣を攻めた場合、共に堕ちるのが目に見えている」
父様は表情一つ変えずに、私と目を合わせてくれる。
「また、女性を募った所で、中王区を制する総理に勝てるはずが無い。故に財閥は男性を立てるべきです。何より男女平等の為に」
父様「東方天の娘は、お前が上に立つ事で男女平等だと言っていたが?」
「それは……総理にとっての男女平等と、私の考える男女平等が違うのでしょう。総理は女性が収まる男女平等を見ている。私は共に歩める男女平等を願っているのです」
確かに総理は正しい理想を追ってるのかもしれない。けど、それが男性を無下にしていい理由にはならない。
父様「いいだろう。納得した。それがお前の答えだ。だが、一つ言っておく。飴村 乱数を伴侶にする事は認めん。共に暮らすのはいいが、過ちだけは犯すなよ」
は、ははは……伴侶!?
「そ、そんな事……考えたことありませんよ!」
父様「ならいいが」
父様は少し笑いながら答える。本当は理解しているのだと思う。
私だって、乱数以外にも信頼している男性はいる。けど、乱数だけは特別なんだ。
この想いが恋愛感情か、それとも何か大切な気持ちなのか分からない。
今はただ、胸の内に秘めて置く事にした。
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椿(プロフ) - おもち。さん» コメントありがとうございます!返信遅くなりごめんなさい!ポッセ結成ですよ!ここまで書いて本当に良かった……本当に嬉しいです!ありがとうございます!頑張ります (2021年7月2日 20時) (レス) id: 0a94b6f111 (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - ついにポッセ結成まできましたね!がんばれ!← (2021年7月1日 8時) (レス) id: 51cba465c1 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - おもち。さん» コメントありがとうございます!低音ボイス私も大好き!可愛いとカッコいいの究極体! (2021年6月29日 6時) (レス) id: 0a94b6f111 (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - 乱数の低音ボイスすきいいいいいい (2021年6月28日 23時) (レス) id: 51cba465c1 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - おもち。さん» ごめんなさい!コメントありがとうございます!小声ボイス……良いよね最高壮馬様ですもんね。帝統はやっぱり騙されてばかりで面白かった!本当に遅れてごめんなさい…… (2021年6月23日 19時) (レス) id: 0a94b6f111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2021年6月2日 14時