374話 選択権 ページ43
部屋の扉をノックする。
扉の向こうから「開いてるよー」と乱数の声が聞こえ、私はドアノブに手をかける。
乱数は沢山の布地に囲まれながら、仕事をしていた。
乱数「急にデザインが思いついちゃって、ピンとくる布地を探してたら、ばら撒いちゃった」
テヘッと、いつもの可愛い笑顔を見せてくれる。
「あの、ごめんね。乱数のお気に入りだったお皿、割っちゃった」
乱数「本当に悪いと思ってるの？」
乱数は目の前まで来て、俯いた私に目を合わせてくれる。
「うん。めっちゃ反省してる。てか、ほぼ怪力の私が割ったと言いますか……」
乱数は私の両手首を掴み、掌を確認してくる。
乱数「悪いなんて思わなくて良いんだよ。いつも食器を洗ってくれてありがとうね。Aに怪我が無くて良かったよ」
「乱数……ありがとう」
自然と私も笑っていた。
話は終わったと思ったのに、乱数は何故か手首を離してくれない。
乱数「丁度良かった！本当は明日にでも聞こうと思ってたんだけど……」
そう言うと、乱数が詰め寄って来る。
私は後ずさるが、後ろのベッドにそのまま押し倒されてしまう。
「あ、あの乱数さん。これは一体……」
乱数から「シー」と言われ、静かにするように促された。
事務所には、帝統や幻太郎がいる。だから、静かにと言う意味だろうか。
乱数が耳元まで顔を近づけて来る。
乱数「あいつらは中王区と何の関係がある」
あいつら……中王区との関係……そうか。今、点と点が繋がった。
乱数が選んだ仲間と言った時、総理が笑った理由も、乱数が選ぶと言う言葉に、興味が無かった理由も……
全ては、中王区が選んだ仲間だと言う事。
(乙統女「飴村 乱数の行動の真意は中王区にあります」)
総理は初めから、乱数に選ばせるつもりなど無かった。
だけど、帝統の側に置くと言う事は、ダーティードッグのようにはならないという事。
総理は、帝統が悲しむような事は出来ないと思うから、それだけは安心出来る。
てか、この状況をどうにかしないと……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
椿(プロフ) - おもち。さん» コメントありがとうございます！返信遅くなりごめんなさい！ポッセ結成ですよ！ここまで書いて本当に良かった……本当に嬉しいです！ありがとうございます！頑張ります (2021年7月2日 20時) (
レス) id: 0a94b6f111 (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - ついにポッセ結成まできましたね！がんばれ！← (2021年7月1日 8時) (レス) id: 51cba465c1 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - おもち。さん» コメントありがとうございます！低音ボイス私も大好き！可愛いとカッコいいの究極体！ (2021年6月29日 6時) (レス) id: 0a94b6f111 (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - 乱数の低音ボイスすきいいいいいい (2021年6月28日 23時) (レス) id: 51cba465c1 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - おもち。さん» ごめんなさい！コメントありがとうございます！小声ボイス……良いよね最高壮馬様ですもんね。帝統はやっぱり騙されてばかりで面白かった！本当に遅れてごめんなさい…… (2021年6月23日 19時) (レス) id: 0a94b6f111 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：椿 | 作成日時：2021年6月2日 14時
