うさぎさんの縁結び【斉藤終】

看板娘の交渉術 ページ10

お妙ちゃんがゴリラさんと言っていた人が真選組の局長さんだと知ったときは驚いた。
黒髪の人が副局長さんで、斉藤さんを呼んでた男の子は一番隊隊長さんらしい。

今は私たち万事屋組(？)と、真選組でバチバチ火花が散っています。


「こちとら出張帰りで疲れてんだわ。お前と違って毎日働いてるから」

「テメェらもいるとは思ったが、都合良くいかねぇもんだなァ？警察がいちゃ、おちおちハメも外せねぇよ」

「毎日ハメ外してんだろうが」

「毎年一緒にお花見してるんですか？実は仲良しだったり…？」

「んなワケあるかァ！何寝ぼけた事言っ、痛だだだだだ！！」


副局長さんの肩を後ろから掴む斉藤さん…。
かなり痛そう…。
え、副局長さんということは斉藤さんの上司さんだよね？


「とりあえず、アフロとそのお重置いて帰ってくんない？」

「俺らに何のメリットも無ぇじゃねーか。何でその組み合わせ？」

「さっきので察しろよな！だから女ができないアル」

「悔しいが褒めてやるよチャイナ」

「褒めるな」

「お重についてはこっちに飯が無いからだ」

「山賊か」

「銀さん？私お弁当作ってきたんだけど」

「じゃあ、せめて！そのお妙さんの手作り弁当とお重を交換でいこうじゃないか！」

「近藤さん、やっと喋ったかと思ったらトチ狂った事言ってんじゃねぇ」


毎年こういうやり取りしていると…。
新八さんが「いい加減にしたらいいのに」と、ため息をついている…。


「あの、こういうのはどうでしょう？」


みんなの視線が私に集まる。

クレーム対応は何度かしたことがある！
から、何とか和解してみせる！
謎の責任感が私を動かした。


「せっかく綺麗な桜が咲いてるんですから、今日はみんなで楽しむというのは…。お重を分けていただく代わりと言ってはアレですが、デザートのお団子を差し上げます」


言い合いが止まって、これに１番最初に食いついてくれたのは、意外にも一番隊隊長さんだった。


「それは『うさぎ』の団子ですかィ？」

「は、はい！私が作ったんですけど、材料は私が働いてるお店の物ですよ」

「仕方ないねィ。看板娘さんに免じてお重と終兄さんを譲ってやりまさァ」

「何勝手に決めてんの、総悟君！？」

「うるせーな。空気読めよ土方」

「良かったわね、Aちゃん」

「う、うん…！…うん！？何で私が良かったの！？」


お妙ちゃんに覗きこまれ視線を反らしたけど、自然と斉藤さんを見てしまって余計に焦った。

ご縁をつかめ！→←うさぎも黙る真選組

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す