うさぎさんのイタズラ ページ3
面白い事が言えずに幻滅されたらどうしよう、声が変な奴だと思われたどうしよう、そも社交辞令で団子をサービスしてくれただけなのに引かれたらどうしよう、それで通報されたらどうしよう。
いつものようにそんな事が頭の中をぐるぐるまわっていた。
「最後のやつは洒落にならねーわな」
「でも局長である近藤さん自体がアレなんで…。あ!斉藤さんは近藤さんを模範にしちゃだめですよ!!」
「アフロに足りないのは自信ネ。『団子ありがとう美味しかった。君の名は?』ってさっさと言ってくるヨロシ」
「「前前前世のやつ!?」」
「お前ら映画観たことねーだろ」
斉藤の目付きが変わった。
思いきり立ち上がり、扉を開け廊下を駆ける。
目指すのはーーー、
「神楽ちゃん凄いよ!!さすが女の子だ!」
「また依頼料先にもらっちまったし。仕事は仕事だ。心配だから見守りに行ってやるとするか」
「キャッホォォ!団子おごってもらうアル!」
お互いに頷いて三人も廊下へ出る。
しかし玄関には斉藤のブーツがある。
そして、聞こえる水が流れる音。
「「トイレかィィィィィ!!!」」
「借りますぐらい言えや!自然と入りやがって!!」
「完璧に場所熟知してますよね!住人かよ!!」
「先行き不安アルな」
神楽が新しく酢昆布を取り出し呟いた。
甘味処『うさぎ』。
そこから数軒離れた路地から覗き見る影が四つ。
言わずとも万事屋三人と斉藤終である。
たまに犬に吠えられながらも数分、従業員の女の子が外へ出てくると斉藤が少し身を乗り出した。
件の看板娘のようだ。
「もしかしてあの子ですか?可愛い方ですね」
「ほら早く行ってこいよ。人が少ねぇしチャンスだろ今!」
『で、ですが、今日の私はどこも変じゃありませんか。髪型とか寝癖ついてませんか』
「顔半分を布で隠してるくせに、んなこと気にしてんじゃねーよ!!寝癖も付いてたとしても分かんねーわ!!喧嘩売ってんのか!!」
『急に行って引かれたりとか、』
「そこは客になりすましたら問題ないだろーが!!」
それでも性格故、なかなか一歩が踏み出せない斉藤とうだうだ言い合っていると急に強い風が吹いた。
砂埃がたつほどの風に顔を手で覆う。
すると、団子屋の長椅子に備え付けられている番傘がぐらりと揺れ、彼女の小さい悲鳴が聞こえた。
「あ!傘が!!」
「危ないアル!!女の子の方に倒れ、」
すぐさま斉藤が走った。
傾きかけた傘と彼女の間に入り、片手で番傘を支える。
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足が自爆型スメルテロ(プロフ) - 終兄さんの話で1番好きです、、、!!!続きが楽しみ。。。!!! (2021年2月24日 11時) (レス) id: 7e7b8fc71b (このIDを非表示/違反報告)
由菜君 - あびゃああああああああ!!この距離感好きいいいいいいいい!!! (2021年2月12日 18時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐(プロフ) - みるくこーひーさん» みるくこーひーさま!ご感想いただきまして有難うございます!斉藤さん尊いですよね…!微笑ましい感じで進めたいと思ってましたので、そう感じていただけて良かったです。これからも何卒よろしくお願いいたします! (2020年11月1日 22時) (レス) id: 0bf81dfdd1 (このIDを非表示/違反報告)
みるくこーひー - 微笑ましくてニマニマしながら見てます!!((←キモすぎワロス 応援します!頑張って下さい!ほんと尊い…(o^^o) (2020年11月1日 2時) (レス) id: 9336ab42b3 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐(プロフ) - ロキ・シャドラさん» ロキ・シャドラさま!コメントいただきまして有難うございます。終さんかっこいいですよね…!更新頑張ります。よろしくお願いいたします。 (2020年10月27日 22時) (レス) id: 0bf81dfdd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏仁豆腐 | 作成日時:2020年10月23日 22時