3 tears ページ3
和「名前なんて言うの？」
「苗字名前。」
和「名前ね、俺の名前覚えた？」
「和也」
名前を言っただけで、転校生の顔はパァっと明るくなった。
和「覚えてくれたんだ！ありがとね」
「名前覚えるの得意だから」
和「笑顔は苦手なのにね」
突然そんなこと言うから私はさらにひきつってしまった。
作り笑顔ってことはみんなにバレてないと思ってたのに。
転校生は出会って10分もしないうちに気づいた。
「えっ、別に笑顔って得意とか苦手とかじゃなくない？」
焦ってるのは丸バレかもしれないけど、なにかつないでないともっと余計なこと言われそうで怖かった。
和「作り笑顔って目でわかるんだよ」
初対面の人との会話とは思えないけど、この人の言うことはすべて説得力があるから言い返せない。
「あ、そうですか」
和「急に冷た…」
多分落ち込んでる転校生。
私はサラーっと前向きに座り直した。
友達「名前なんかあの転校生と仲良くない？」
「そうかな？
なんか合わなそうだけど笑」
友達こそ目が笑ってないってば。
アイドルとかオシャレとかいつも興味ないフリしてたけど、今回に関しては本当に興味がない。
なのに疑いすぎだよ。
友達「じゃあ私狙っちゃおっーと！」
「頑張れよー笑」
いらない報告ありがとうございます。
普段言いたいことを言わない私は、とてもひねくれしてしまった。
友達「なんか他人事じゃない？笑」
「心から応援してるって！」
友達「協力とかしてよねっ」
「はいはい、わかりました」
悪魔と契約をしてるみたいだった。
そんなこんなをしてる時にも、転校生の和也は
クラスメイトに囲まれている。
私だったらあんなに注目されたら吐いちゃうな。
でも、和也は笑顔で対応してる。
あれは、作り笑顔？
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作者名：あ お い ち ゃ ん こ | 作成日時：2019年2月25日 23時
