緑のたぬきさんに憧れて歌い手になったら、その人のことをもっともっと好きになりました。【うらたぬき】

たぬきが65匹 ページ19

「うわぁぁぁあ！にこちゃん強すぎやろー！まーしぃ助けて！」


「坂田、お前なにやってんだよ！！…ってあ！負けた…」


「え、まって⁉なんで、そっちセンラもおんのに勝ってんの⁉」


「センラもおんのにってやめろ！にこちゃんと俺のコンビネーションが良かったんですわ」


ねー、とお互いの顔を見てハイタッチする。
その横で志麻さんと坂田さんが悔しそうな顔をしていた。



今は、私の家で坂田さんと志麻さん、私とセンラさんで組んでゲームをしている。
うらたさんは強いからと言う理由で最初は様子みしててと言う3人からの要望で見学となった。


「にこちゃん、ゲーム強ない？」


「そうですか？志麻さんの方が強いですよ！」


「にこちゃんにこちゃん！俺は？」


「坂田さんも強いですよ！」


ありがとー！とギュッと抱きしめてくる坂田さん。
なんだか少し慣れてしまったようで、可愛いなと思っていると、坂田さんが後ろにひかれた。
どうやらうらたさんが後ろに引いたらしい。


「おい坂田」


「うらたさん、そんな怒らんといてー！
あ、ゲームで勝負しよや！」


「上等」


「あ、じゃあ、私飲み物持ってきますね！」


それぞれからありがとう、との言葉をもらい微笑みながらキッチンへと入る。


「紅茶…でいいよね？」


どこだったっけ？とキョロキョロしていると、なぜか紅茶が棚の上に置いてあった。


「場所がたかい…！なんで？」


置いた覚えないんだけどなぁ
考えていると、ふと思い浮かんだ人。


「そらるさんめ…！この間家に来た時に置いたな！」


どうりでDMでよく紅茶のことを聞かれると思った。


私は背伸びをして、伸ばせる限りで腕を伸ばした。
プルプルと震えてしまいうまく取れない。


「うぅ…！届かない」


「これですか？」


後ろから伸ばされる腕。
ふわっと香る香水のいい匂いと柔らかなきれいな声。


「センラさん！」


後ろを振り向くと、片手に紅茶を持って微笑んでいるセンラさんがいた。

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